2024年はケストナー没後50年という記念の年です。ということもあって、今年の岩波少年文庫夏のフェアは「ケストナーとドイツの作家たち」のテーマで選書がされています。ケストナーのファンは既にお持ちの作品も多いのではと心配しましたが、どっこい! 始まってみるとどの作品もまんべんなく売れていて「そうか~。まだみんなこの本を読んで(持って)いなかったのね!」という意外な嬉しい驚きです。もしかしたら読む機会を逃していた方も、このプレゼント効果で読んでみようという気になってくださったのかもしれません。

今年の噂の(笑)全員プレゼントはこちら↓

少年文庫の『エーミールと探偵たち』『ふたりのロッテ』を小さく模したアクリルキーホルダーです。2枚1口で応募ができて、応募者全員にプレゼント! ただし、2口応募しても違う柄が当たるとは限らないそうなので、2個同じものが来てもがっかりしないでネ。

さて、没後50年の今年はケストナーが戦争中に記した日記の全訳が刊行されます。題して『ケストナーの戦争日記 1941-1945』――戦争中もドイツから出国しなかったケストナーですが、危険人物としてナチスに目をつけられていたため、日記と分からないようにこっそりと束見本に速記文字で記録と劇作のアイディアを綴っていたそうです。日記には世間の噂、街の様子、映画・演劇仲間のこと、読書記録など様々な内容が記されていて、時折先行きの不安や愚痴なども綴っているとのこと。文学として整えられた作品が魅力的なのはもちろんですが、人間ケストナーの側面が見られるという意味でこの日記は非常に貴重な証言と言えます。
ナルニア国では本書の翻訳者・酒寄進一さんをお招きした講演会を9月4日(水)午後6時から開催します。ただ今参加者募集中! ご希望の方はナルニア国までお電話ください。※募集の詳細はホームページに公開中です。

日本人の記憶の中では戦争がどんどん遠のいていっているように感じますが、逆に世界では常に新しい戦争が起こっています。始まってしまうとなかなか止めることのできない戦争を始めさせないために、私たちは過去の歴史から学ばなくてはなりません。ケストナーがナチの時代をどのように生きたのか、この日記から2024年の今を生きる私たちが読み取れることは何なのか、酒寄先生とご一緒に考えていきましょう。

酒寄進一氏講演会 “ケストナーの覚悟、ドイツの覚悟”~『ケストナーの戦争日記1941-1945』出版記念~
日時:2024年9月4日(水) 午後6時~7時半
参加費:1500円

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