1972年にイギリスで出版され、翌年にはカーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞したリチャード・アダムスの傑作児童文学『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』のアニメーション映画が公開中です。1978年に英国でアニメ映画化された作品は「決して子供向けの内容ではなく、野ウサギたちに待ち受ける苦難と残酷な現実、人間たちによる乱開発により滅びゆく野生動物、外敵との血生臭い闘いなどが容赦なく描かれた（映画パンフレットより）」ものとして、当時から高い評価を得ました。原作も映画も、時代を越えて読む人・見る人の心をとらえてきたのは間違いありません。
翻訳者の神宮輝夫さんはあとがきで「上巻は、この世で身を立てるために旅に出た若者の話に似ています。生きるための冒険の物語です。（中略）下巻は、ほんとうに、スリルとサスペンスいっぱいのアクション・ストーリーです」と書いています。この物語の隠された意味は…などと考えるより前に、まずはお話の世界に飛び込んでウサギたちの冒険を体験しましょう。原作を読んでから映画を観るもよし、映画を観た後で読むもよしです！
【お知らせ】
アニメーション映画「ウォーターシップダウンのウサギたち」は、渋谷のイメージフォーラムにて1月10日まで上映中です。詳しくは映画館のホームページをご覧ください。
『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち（上下）』リチャード・アダムス作／神宮輝夫訳／評論社／各1980円（税込）
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