ベスト 👍 ノンフィクション
『マイ・ディア 親愛なる物語』
氷室冴子 著
河出書房新社 刊
2025年4月20日 発行
990円(税込)
237ページ
対象:中学生から
〈腹心〉の少女小説の魅力と思い出を綴った名エッセイ、待望の復刊!
本書は『なんて素敵にジャパネスク』などの著作で知られる氷室冴子による、『赤毛のアン』『秘密の花園』『リンバロストの乙女』などの少女小説への溢れる思いと魅力を綴ったエッセイです。1990年、角川文庫から書き下ろしとして刊行されたものの復刊。当時、赤のギンガムチェック柄のカバーの「マイ・ディア ストーリー」シリーズの刊行にあわせて書かれた手引書の役割も合わせもっていました。
何冊かはわたしもギンガムチェックカバーの本を持っているけど(!)、本書の存在は知りませんでした。
読み始めて、もう氷室冴子の取り上げている本への愛の深さに衝撃を受けちゃいました。純粋に「この本おもしろいよね!」と言い合える感じのワクワク感もあるのですが、やはり自身も物語を書く身です。鋭い洞察もあちこちに見られるところが、すごい。久しぶりに勢いに任せてのイッキ読みでした(また読みたくなってます笑)。
氷室さんの声って聞いたことありませんが、すぐここでしゃべっている感じがページから湧き上がってくる。
読んだことのある本も、そうでない本も端から読みたくなりました。ああ、時間が欲しい…。
文学界では少女小説って一段も二段も低く見られがちなジャンルですが、決してそんなことはないと胸を張って言えます。そんな自信がわいてきます!
また巻末に付された斎藤美奈子さんの解説がとてもよいです。これも忘れずに読んでほしいです。
中高の図書館にはぜひとも蔵書してください、と言いたい。リアルな10代に少女小説は古臭くなんかないってことを伝えるよき1冊です。 (す)
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