ベスト👍 フィクション
『冬の王3 魔女の冬』
キャサリン・アーデン 著
金原瑞人、野沢佳織 訳
東京創元社 刊
2023年11月10日 発行
1760円(税込)
572ページ
対象:中学生から

人間も精霊もない、すべてのための戦いだーー少女の成長と闘いを描く3部作完結!

とても楽しみしていたのに、思いのほか読み終えるのに時間がかかってしまいました。でも、がんばって読み終えられてよかった! と心から言えます。ようやくご紹介できて嬉しい!

火事からモスクワを救ったワーシャでしたが、火事を起こした魔女だと民衆から糾弾されて捕らえられてしまいます。そして、火あぶり寸前にまで陥ります。しかし危機一髪のところで“真夜中の国”へ逃れます。そこからさらに息もつかせぬ展開が続くのですが…(それなのになぜ、読むのにこんなに時間がかかってしまったのか?)。
ワーシャの行動力は全編通して、魅力的。3作目もそれは変わりません。精霊と人間との共存を目指す姿は、かっこいい。こういう戦いっていうと、なんとなく「少女」が主人公なことが多い気がします。なぜだろう? とちょっと脇道それたところに疑問を抱いてしまいました。

それはそれとして、ラストは思いもしなかった感動的なことも起こります。個人的にとっても嬉しかったです(詳しく書くとネタバレと言われてしまいそうなので、なんのことかは気になるかたは読んでみて)!
また冬の王、マロースカとワーシャの関係にちょっと胸キュンしました。マロースカ、かっこいい♡

それにしても全3巻で1500ページほどにもなる大作です。久しぶりに読み応えのあるファンタジーに出会えました。本シリーズがデビュー作という著者の今後も楽しみです。 (す)

*前作のレビューはこちらを→『冬の王1 熊と小夜鳴鳥『冬の王2 塔の少女』

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