ベスト👍 ノンフィクション
『夏の小川にかがやく宝石、オニヤンマ 日本でいちばん大きなトンボのくらし』
筒井学 写真、文
小学館 刊
2023年7月10日 発行
定価1430円(税込)
40ページ
対象:小学校低学年から
長い水中生活から大空へ向かって初フライト!
『セミたちの夏』や『カマキリの生きかた』などの「小学館NEOの科学絵本シリーズ」に新しい仲間が加わりました。
思わずまど・みちおさんの童謡「オニヤンマ」を思い出し、歌ってしまいましたが(♪~オニヤンマーは トンボのおうさま~)、堂々とした姿はまさしく「トンボのおうさま」ですね。
夏に飛ぶ姿を見られると、なんとも嬉しくなるのはオニヤンマが「おうさま」のせいかな~。
そんなオニヤンマの生態を丁寧に写真とともに綴っている1冊です。よくこんな姿を捉えた!と思える写真ばかりです。勇ましさ、美しさを感じます。なかでもオニヤンマが獲物をつかまえて食べる瞬間は「おお!」となりました。こんな場面に出くわしたことはありません。オニヤンマを見張って撮るのでしょうか?
驚いたのは水中に産み出された卵の写真。どうやって写真を撮ったのだろう?と思います。1ミリに満たない小さな卵は50日を過ぎて幼虫になるそうです。オニヤンマの幼虫、ヤゴは少なくても2年、長いと4年もの時をかけて成長するとのこと。10数回の脱皮を繰り返し、羽化の時を迎えます。
なんとも感動的な場面が続きますが、自然環境が整っていないとオニヤンマは卵を産むことも、羽化することもできません。作者のあとがきの「オニヤンマが飛び交うような自然環境が、身近なものであり続けることを切に願います」の一文に大いに賛同します!
小さい人たちが気軽に虫取りを楽しめるような環境を残していかないと、結局ヒトであるわたしたちも暮らしにくくなるのではないかと思います。
ま、子どもたちには難しいことは抜きにしてオニヤンマの素晴らしさを本を通して知ってほしい。そして実際のオニヤンマにも出会ってほしいです。 (す)
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