ベスト👍 フィクション
『今日もピアノ・ピアーノ』
有本綾 作
今日マチ子 絵
Gakken 刊
2023年12月 発行
1650円(税込)
156ページ
対象:小学校中学年以上
人生はたくさんの「出会い」でできている
海斗は、進学塾に通う小学6年生。塾に通う理由は、自分の希望ではなく「高学年になったら塾に行き、受験をするものだ」と思いこむ両親の考えからで、成績はあまりよくありません。塾に加えてスイミングや空手も習い、忙しない日々を送っていますが、どれも中途半端です。
本作は、周りの友達と比べてとりえがなく、将来の姿を想像することができない自分に悩む主人公が、駅のピアノで優しい音色を響かせていたおじいさんとの出会いによって、自らの心と向き合い、新しい道を切り拓いていく物語。 海斗は、おじいさんとの交流を通してあることに気付きます。それは、なぜ自分がこれまで塾や習い事に対して中途半端に向き合っていたかいうこと。海斗の発見には、私もハッとさせられました。
あとがきでは、作者が作品に込めた思いが綴られていて、胸に響きます。進むべき道に迷うとき、読んでほしい1冊です。
タイトルにある「ピアノ・ピアーノ」が意味することとは何か、それは本書でお確かめください。すべての大人に届いてほしい、メッセージです。(み)
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