ベスト👍 絵本
『リネア モネの庭で』
クリスティーナ・ビョルク 文
レーナ・アンデション 絵
福井美津子 訳
世界文化社 刊
2023年3月30日 発行
定価1,760円(税込)
53ページ
対象:小学校低学年から
リネアと辿る画家クロード・モネの名画の世界
スウェーデン生まれの名作絵本が30年ぶりに復刻しました。
主人公の少女リネアはアパートの上階に住む元庭師のブルームさんと仲良し。植物の育て方や観察の仕方を教わって、自分でも育てて楽しんでいます。
草木や花が好きなリネアにはほかにもお気に入りがありました。それは、画家のクロード・モネ。ブルームさんの部屋を訪れるたびにモネの本を眺めていたリネアは、ある日、ブルームさんと一緒に憧れのモネの家を訪ねてジヴェルニーに行くことになります。
パリのマルモッタン美術館やオルセー美術館、モネのバラ色の家、そして睡蓮の浮かぶ池にかかる日本の橋……。庭のしだれ柳の青々とした様子、鮮やかな睡蓮の花は名画「睡蓮」そのもので、皮膚感覚でダイレクトに伝わるリネアの歓喜を読者は彼女になりきって疑似体験します。
画家や名画に迫る絵本はいくつもありますが、本書のように丁寧にストーリーが編まれ、画家や名画の解説の確かさは言うに及ばず、イラスト、写真、名画をバランスよく整えた作品は珍しいもの。
一部情報が最新になっているほかは、翻訳、フォントや文字組みは当時のまま。かつてリネアと出会った大人たちも安心して再会を喜べるに違いありません。 (い)
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