ベスト👍 ノンフィクション
『コーヒーを飲んで学校を建てよう』
ふしはらのじこ 文・絵
辻村英之 監修
実生社 刊
2022年5月 発行
定価1980円（税込）
44ページ
対象：小学校高学年から
「豊かになった者がこまっている者を助けるのは当たり前のこと」という「当たり前のこと」
表紙とタイトルを見て、「あれ？これ前に読んだ気がするぞ」と思った方
その記憶大正解です！
福音館書店「たくさんのふしぎ 2013年6月号 コーヒーを飲んで学校を建てよう」
を一部修正し、出版社を変えて、新しく出し直したものです。
絵本作家、ふしはらのじこさんが訪ねた先は、タンザニア・キリマンジャロの山間のルカニ村。
この村は、日本と深い繋がりがあります。
それは、コーヒーを通しての繋がりです。
森林を破壊しない方法でコーヒー栽培をしていた村人は、同時にその収穫で子どもたちの教育も
まかなっていました。ところが、国際的なコーヒー価格が下がり続け、村人たちの生活は困窮、
進学できない子どもたちが増えていってしまいました。
ルカニ村で学術研究をしていた日本人のヒデ先生は村人たちの窮地を救うべく、日本の企業に
呼びかけて、コーヒー豆の直接販売に向けて奔走します。
「一人の日本人が村を救った」的な「美談」ではなく、「フェアトレード」とはどんなことか？
真の支援とはどんなことか？をドキュメンタリー絵本を通して、子どもたちに分かりやすく
伝えてくれます。
ＳＤＧｓやフェアトレードといった言葉が、イメージとして先行してしまっている今だからこそ
この本がもう一度、出し直されたことの意義は大きいと思います。
巻末には、今現在、ルカニ村のコーヒーが飲めるお店、買えるお店も載っています！
（く）
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