衝撃的なニュースが入ってきました。なんと、岩波書店から刊行されているバージニア・リー・バートンの『はだかの王さま』の品切れが決まったとのこと。現在まだ版元には数十冊の在庫があるそうですが、これがなくなるとしばらくは入手不可(品切れ重版未定)になるというお知らせが来ています。
バートンの作品の中では比較的出版年が遅く(といっても1949年初版、1977年リニューアルですが)、日本で出版されたのは2004年なので(といっても今から20年前!)、まだまだ十分に知られたロングセラーとはなっていなかったように思います。しかし、今後は手に入れるのが難しくなりそうです……。
アンデルセン童話の『はだかの王さま』は、人間(大人)の見栄と愚かさを幼い子どものまっすぐな目が見抜く寓話として皮肉めいた印象を受ける作品ですが、バートンが描くお話は全体にユーモラスな印象が強く、王さまも翻訳者の乾侑美子さんが言うには「少しおばかさんくらい」です。多少愚かではあっても愛すべき存在として王さまを描くことで、詐欺師である仕立て屋も、間抜けな大臣も、街の人たちも、全てを包み込んでいくようなおおらかさが絵本全体から漂ってきます。アンデルセンの伝えたかったことを根っこに持ちながら、バートンなりの味付けがされたこの『はだかの王さま』は、さすがの1冊といえるでしょう。乾さんの言葉がとてもステキなので、ここに一部をご紹介させていただきます。

「すみずみまでユーモアにとんだ絵と、ゆかいでありながら、だいじなことの語られるお話。何度もページをめくりなおしては、そのたびに新しいお気に入りの場面を見つけ、読み終えると、なぜかとてもしあわせな気持ちになっている、こんな絵本を私はほかに知りません。」(絵本カバー袖の言葉より)

ナルニア国の現在の店頭在庫は8冊。ご希望の方はお早めにお求めくださいませ。

そして、昨年から在庫僅少のお知らせをしていた2作品、大塚勇三訳の『やねの上のカールソンとびまわる』と、脇明子さんの『読む力が未来をひらく』もナルニア国がどしどし販売したために、いよいよ岩波書店の在庫がなくなったそうです(岩波書店のホームページでは「品切れ」表示が出ています)。この2点は店頭にある数で売り切れとなります。まだご購入でない方は急ぎ!お求めくださいませ。遠方の方にはお電話、メール等でのご注文も承っております。

在庫僅少『はだかの王さま』アンデルセン作/乾侑美子 訳/バージニア・リー・バートン絵/1870円(税込) 店頭在庫8冊!
品切れ重版未定『やねの上のカールソンとびまわる』リンドグレーン作/大塚勇三 訳/2310円(税込) 店頭在庫7冊!
品切れ重版未定『読む力が未来をひらく 小学生への読書支援』脇明子 著/1760円(税込) 店頭在庫10冊!

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