クリーンヒット ⚾ フィクション
『銀の海金の大地１ 氷室冴子セレクション』
氷室冴子 著
飯田晴子 絵
集英社 刊
2025年1月25日 発行
770円（税込）
269ページ
対象：中学生から
古代日本、湖（ウミ）の国・淡海（おうみ）を舞台に、14歳の少女真秀（まほ）が時代の争乱に巻き込まれていくファンタジー！
『なんて素敵にジャパネスク』などで一世を風靡した（！）氷室冴子の作品がめでたく復刊です！ 常々、個人的にこの作家はもっと読まれていいはずと強く思っていたので、非常にうれしい。「真秀の章」全11巻がこれから順次、刊行されます（楽しみ♪）。
古代日本を舞台にした壮大なファンタンジー。主人公は14歳の真秀です。複雑な生い立ちのため邑（むら）で疎外されながらも、病に伏している母・御影（みかげ）と、目も耳も不自由だが不思議な霊力をもつ美しい兄・真澄（ますみ）と共に暮らしていました。ある時、母の病にきくという薬をもらうため丹波行きの船に乗りますが…。
やがて真秀は、彼女自身に流れる巫王の一族「佐保」の血のため、時代の争乱に巻き込まれていきます。
久しぶりの再読でしたが、ページをめくる手が止まらない。わくわくの連続！ 稀代のストリーテラーだなあ、と改めて思いました。作者自身「古事記」を深く愛していて、古代長編シリーズのアイデアを長くあたためて書き上げたのが本書です。ただ道半ばで命を落としてしまったのが、たいへん残念でなりません。
荻原規子氏の「勾玉」シリーズが好きな人に特におすすめしたいです！ きっと気に入るはず～！ 未読の方は、ぜひ！！
巻末には書評家・嵯峨景子による詳しい解説を付しています。
この復刊を機に他の作品（たとえば『蕨が丘物語』とか『多恵子ガール』『なぎさボーイ』とかetc.）も刊行されるといいなあ。 （す）
＊もっと詳しく知りたいかたは出版社の特設ページをご覧ください。
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