クリーンヒット ⚾ ノンフィクション
『読んでばっか』
江國香織 著
筑摩書房 刊
2024年6月10日 発行
253ページ
1980円（税込）
対象：大人
そばに本があることの幸せと本を読む喜びにあふれたエッセイ集
『つめたいよるに』『きらきらひかる』などの著作や絵本などの翻訳でも知られる著者の読書にまつわるエッセイ集。
本書は、過去に新聞の書評や文庫の解説などに寄せたものをまとめたものです。どれも比較的短い文章なので、どこから読んでもOK！
ほんとうに本を読むことが日常の一部であり、大好きなんだなってことが伝わってきます。
取り上げている本も実にさまざまで、絵本や童話から小説、エッセイ、詩や海外ミステリーと幅広いことに驚かされます。それもどの作品に対しても深い愛を感じる。大事に本を読んでいる姿が浮かんできて「わたしも読まなくちゃ」と思わされました。でも、こんなに丁寧に読めるかな～と一抹の不安も(笑)。
非常に好感を持ち、共感したのが冒頭にある「アンケート：どうやって本を読んでいますか」に対する回答です。なんて回答しているかは、本を手にしてご自身で確認ください。
なかでも「紙の本はどのように収蔵していますか。置き場所、配列などはどうしていますか」に対し「家じゅう本だらけです。でも、わたしはそれが嫌ではありません。」とは大いに賛同！
大体みんな“家じゅう本だらけ”になりますよね～。かくいうわたしも“家じゅう本だらけ”です。
「石井桃子（あるいはいしいももこ）さん」と題した文章は、子どもの本に関わる人には強くうなずけるものだと思います。ぜひ一読してみてほしい。
また山本容子さんによる挿画がきれいで、持っていて嬉しくなるような1冊の仕上がりになっています。
これをきっかけに、本の世界がさらに広がることでしょう（つまり、もっと本だらけになるのね！ （す）
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