クリーンヒット ⚾ フィクション
『マメクジラくん、海へいく』
山下明生 文
村上康生 絵
偕成社 刊
2024年9月 発行
96ページ
1430円(税込)
対象:小学校中学年から

ちいさなナメクジの大冒険!

ナメクジが主人公のお話とは、これまた珍しい作品の登場です! でも実際のぬめっとしたナメクジとは違って、なんとも飄々とした雰囲気ただよう愛らしいナメクジです。
それは挿絵の影響が大きいかもしれません。
さて、お話はというと…。

親戚のクジラ(!)に会いにいった、おじいさんを連れ戻すためにナメクジのマメクジラくんは家族に見送られて旅に出ました。
怖いやつもいるよ、と忠告をうけますが「ねばねばを出して、ねばっていく。根性でいく!」とゆっくり進みます。そしてお母さんに言われた「ナメクジのからだは88パーセントは水分だから、よけいな涙を流すとからだがしぼんで、よわってしまう」という言葉を思い出して涙をこらえました。

それでも怖い目にあいつつも、マメクジラくんは銀色のねばねばのすじをひきながら、海をめざしました。

ちょっと不思議な読後感が残る冒険物語。ナメクジがクジラと親戚とか「???」な気もしますが、読み進めていくうちに「そうかも」と思えてくるのが可笑しいです。 (す)

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