クリーンヒット ⚾ フィクション
『まさきの虎』
濱野京子 作
こうの史代 絵
童心社 刊
2024年12月2日 発行
1540円(税込)
176ページ
対象:小学校高学年から
東日本大震災でうしなわれた命と、記憶をめぐる物語
小学6年生の真莉愛(まりあ)は、母の離婚を機に東京から母方の祖母の家に引っ越してきました。そこは5年前に大きな地震があったところ。母と祖母との3人での暮らしが始まります。幼いころ、この町で暮らしていた時の記憶がうっすらと戻ってきました。それは、保育園でひとりでいた真莉愛にやさしく声をかけてくれたまさきくんのこと。今、どうしているのか気になって細い伝をたどると、震災で亡くなっていたことがわかったのでしたーー。
真莉愛がまさきのおばあさんを訪ねていく場面は、ほろりとさせられました。また、震災の出来事が前面に出ておらず、物語の背景として描かれていて、主人公の気持ちを丁寧に追っているのがよかったです。
2006年の作者デビュー作以来のコンビでの作品。挿絵を描いているのは漫画家で、『夕凪の街 桜の国』やアニメーションにもなった『この世界の片隅に』などで知られる人です。
また文字の組み方がとてもゆったりしていて、読みやすいです。ので、本を読むのがあんまり得意でない子でも手にしやすいかもしれません。 (す)
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