クリーンヒット ⚾ フィクション
『その本はまだルリユールされていない』
坂本葵 著
平凡社 刊
2025年3月24日 発行
1870円(税込)
236ページ
対象:中学生から

うまくいかないことがあっても魔法のような製本工房が、寄り添います

司法書士になる夢をあきらめ、非正規職員の図書館司書として母校の小学校に赴任することになったまふみ。実家に帰らすに近くのアパートに引っ越します。そのリーブル荘はルリユール工房を併設し、世界的に活躍する製本家の綺堂瀧子親方とその孫の由良子が暮らしていました。
もともと本好きだったまふみは、手製本の美しさに魅了されていきます。

本がつなぐ人との出会いが描かれます。ミステリアスな展開もありつつ、司書の仕事についても丁寧に描かれていると思いました。
実際に仕事をしている人からしたら「???」な箇所もあるでしょうが、概ね現状を描いているんじゃないかなあ。まふねが「正規」ではなく「非正規」であるなんて設定からして、リアル! 決してよい傾向ではないのだけれども。
著者のまざさしはあたたかく、登場人物は皆、魅力的です。なかでもアパートの近くにある釣り堀の主のキャラクターがいい!
ちょっと息抜きになるような存在です。

また製本のワークショップなどは参加してみたくなりました。

本にまつわる本が読みたい人には、ぜひ!
名久井直子さんの装丁も内容に沿った美しいできあがりです。 (す)

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