クリーンヒット ⚾ 伝記
『鳥居きみ子 家族とフィールドワークを進めた人類学者』
竹内紘子 著
くもん出版 刊
2024年2月26日 発行
1540円(税込)
184ページ
対象:小学校高学年から

明治時代から昭和時代にかけて活躍した人類学者、鳥居きみ子の生涯を描く!

こんな人がいたなんて全く知りませんでした! ご存知のかたはいらっしゃいますか。
明治時代から昭和にかけて活躍した人類学者の生涯を描いた1冊。知らないことだらけなのでいちいち「へぇ~」とか「すごい!」とブツブツ言いながらページをめくる手が止まりませんでした。わくわくしっぱなし! これはぜひ、読んでいただきたい。

ひょんなことから夫婦でモンゴルへ調査にでかけ、フィールドワークを行います。きみ子が結婚した相手は人類学者の鳥居龍蔵(この人のことも全く知らなかったので、驚きの連続! 徳島には記念博物館もあるような人なのに!)。彼のものの考え方が今の時代でもなかなかいないような先駆的で素晴らしいと感じました。仕事の話を妻にするとか、「母親であると同時に、きみはきみだ。子どもがいるからやりたいことができない、なんてことはないはずだ」と言って最初のモンゴル行きをおす場面なんてすごすぎ。時代背景を考慮するとすごさは倍増だと思います。
そして地道なフィールドワークを行うさまは圧巻。子連れで行ったとはさらに驚かされます。でも子どもがいるからこそ、きみ子は現地の人々の暮らしのなかに入って、生活や風習、歌などを調べあげることができたのかもしれないですね。歌は譜面に残していて、それは音楽学校に通っていたことの功績かも!?

誰もやったことのないことを切り開いていくバイタリティー、意志の強さを感じました。資料写真も掲載されているので、本書の理解の一助となります。

ただ、彼女の生涯と時代の出来事がわかる簡単なものでも年表があるとよかったな、と思いました。
著者は鳥居龍蔵のこを調べていくうちに、きみ子へ興味を持ったとあとがきに書いていますが、わたしは鳥居龍蔵って人のことを知りたくなりました。 (す)

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