クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『難民の?(ハテナ)がわかる本』
木下理仁 著
山中正大 イラスト
太郎次郎社エディタス 刊
2023年3月 発行
定価1100円(税込)
94ページ
対象:中学生から

生きのびるため、危険から逃れてよその国へ。知らなかった世界のリアルがわかる本。

世界には様々な理由で生まれた国(国籍国)を出なければならなくなった人たちがいて、これらの人びとのことを“難民”と呼びます。いずれも命の危険にさらされてやむを得ず国を逃れた人たちで、2022年に紛争や迫害により故郷を追われた人は1億人以上いるそうです。けれども、普通に暮らしをしているだけでは難民について理解を深めることは難しいのが現実。テレビやネットなどのニュースで日々流れてくる情報を、その短い時間で十分に理解するのは困難です。そもそもどうして難民になるのか、難民となった人たちはどうやって生きているのか、日本へ逃げてきた人たちはどうなるのか? こうした難民についての素朴で基礎的な疑問に答えてくれるのがこの本です。

海で囲まれた日本に住んでいる私たちは、地続きで人々が行き来する国に比べて“外国の人”に対する警戒心や恐怖心を(あまりたいした理由もなく)強く持っているのかもしれません。けれど、もしかすると将来自分自身が難民としてこの国を出ていかなければならない事態が起こるかもしれない(この本の中の物語「20XX年の茶髪禁止法」のように)と想像したとき、難民としてよその国に避難してその国で保護を求めるという人として当然の権利(→これは世界人権宣言の第14条に規定されています)が認められ守られないことは、とても恐ろしいことだと身にしみて感じます。
日本にも世界中から保護を求めてやって来る人たち(難民)がいます。私たちはその人たちとどのように向き合い、共に生きていったらいいのか。先に成立した入管法についても様々な問題が指摘されていますので、難民を通して日本社会のありようを一人一人が考えるきっかけにこの本を役立てていただければと思います。(か)

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