クリーンヒット⚾ フィクション
『冬の王2 塔の少女』
キャサリン・アーデン 著
金原瑞人、野沢佳織 訳
東京創元社 刊
2023年4月23日 発行
定価1540円(税込)
542ページ
対象:中学生から

男装して盗賊討伐の一行に加わったワーシャを不死身の魔術師が狙う…!

昨年11月に刊行された1巻目のその後、領主の娘ワーシャが精霊を助けて魔物と戦ったのちの物語。わあ、待ってました!

1部のはじめのほうは「誰だっけ?」と思いながら読んでましたが(笑)、ワーシャが助けを求めて門をたたいた修道院で10年ぶりに兄に出会うあたりから急速に物語は展開していき、息つく間もないかんじでページをめくる手が止まりませんでした。
ワーシャは故郷に居場所を失い、冬の王から授かった馬(ソロヴェイ)と旅に出ます。このソロヴェイとのやりとりが、とてもいい! 馬の描写が実に丁寧に描かかれています。ワーシャがソロヴェイを頼っているかんじとか、動物好きにはたまりません。こんな馬が欲しい、と物語の本筋からは離れますが、そんなことを思ってしまいました。
きっと作者は動物が好きに違いないです。

冬の王や盗賊討伐の一行との関係とか、緊迫した場面が続いてハラハラさせられます。でも、いつも前を向くワーシャの姿がかっこいい!
ラストはちょっと、ほろりとさせらました。読み応えたっぷりの物語。最終巻が待たれます。  (す)

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