クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『ぼくたちクルド人 日本で生まれても、住み続けられないのはなぜ?』
野村昌二 著
合同出版 刊
2022年11月 発行
定価1980円(税込)
157ページ
対象:中学生以上
知らなかったクルドの歴史と、在日クルド人社会がわかる
トルコ、シリア、イラク、イランにまたがる地域に暮らす、国を持たない世界最大の少数民族クルド人。厳しい差別と迫害を受けた多くのクルド人が難民として世界各国に離散しています。日本にも埼玉を中心に約2000人のクルド人が暮らしていますが、日本では難民として認められることが非常に難しいため、その半数ほどが日本に暮らす資格を持たないまま生活することを強いられ、仕事に就くことや、社会保障を受けること(健康保険に加入する、生活保護を受けるなど)も出来ずにいるのです。そして、自分の国へ帰れば殺される可能性があるにもかかわらず、いつ日本を強制的に退去させられるかわからないといった不安な状況に置かれています。命を脅かされることなく平穏に暮らしたいという当たり前の願いがなぜ認められないのか――日本におけるクルド人の状況を知ると、この国の難民政策に理不尽さに啞然としてしまいます。特に、親に連れられて幼いころに日本にやってきた子どもたち(または日本で生まれ育った子どもたち)が、自らにはまったく責任がないにも関わらず国から不当な扱いを受け、将来のビジョンも描けずにいることは許しがたいことです。この状況を変えるためには、私たちが弱い立場に置かれている外国人のこと知らなければなりません。まずはこの本を読んで、私たちの隣で生きる外国籍の人たちに思いを寄せてほしいと思います。
名古屋入管でスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった事件が大きく報道されたことにより、入管施設の非人道性が一般の人たちにも広く認識されるようになりました。本書の中でも入管の問題は数章にわたって取り上げられていますので、国際的にも非難を集めている日本の難民政策について考えるきっかけとしていただければと思います。 (か)
難民について、子どもたちにも一緒に考えてもらうにはこの本がおススメ! →『故郷の味は海をこえて』安田菜津紀 著/ポプラ社
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