ナルニア国では2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以降、ずっと一つの平台で戦争や平和について考えるコーナーを設けています。ここで特に注目されているのはドイツの作家エーリッヒ・ケストナーの『どうぶつ会議』(岩波書店/1100円:税込)や、ケストナーの伝記『エーリッヒ・ケストナー こわれた時代』(偕成社/2750円:税込)ですが、読書の秋に向けて大人の方にご紹介したい本をいくつか入れてみました。

1冊はロシア文学の翻訳者・奈倉有里さんの『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』、もう1冊はオリガ・ホメンコさんの『ウクライナから愛をこめて』です。奈倉さんの本は昨年10月の出版で、出た当時はまさかこんなことになるとは予想もつかなかったと思います。2月24日以降はにわかに注目を集めて、今は出版社でも在庫僅少とのこと。貴重な店頭在庫は2冊のみです。ウクライナ人で日本語でエッセイを書かれたオリガ・ホメンコさんの作品は、「BOOKMARK臨時号」で知りました。どちらも戦争前に書かれたものですが、それゆえにそこに生きる普通の人々の姿が浮かび上がってきます。毎日のニュースで両国を見るとき、私たちはどうしても戦争というフィルターを通してしまいます。戦争前にあった日常を知れば知るほど、それを破壊する戦争の理不尽さか身につまされるのです。

この秋、ぜひ読んでほしい本
『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』奈倉有里 著/イーストプレス 1980円(税込)
『ウクライナから愛をこめて』オリガ・ホメンコ 著/群像社 1320円(税込)

何度もご紹介していますが……
中学生から知りたいウクライナのこと』小山哲・藤原辰史 著/ミシマ社 1760円(税込)
『台所のマリアさま』ルーマー・ゴッデン 作/猪熊葉子 訳/評論社 1650円(税込)
世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方』エディ・ジェイク 著/金原瑞人 訳/河出書房新社 1562円(税込)
→この本をお買い求めの方先着7名に、品切れのBOOKMARK臨時号をプレゼントします!
鬼ヶ島通信 2022年春号」1325円(税込)
→降矢ななさんの特別寄稿(イラスト漫画エッセイ)が掲載されています。

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