ハードカバーの書籍が品切れになって文庫で復活することは最近よくあることですが、これは品切れになってからかなり長かった2作品です。どちらもお話の内容としては大変面白いので、文庫版でなければ小学校高学年ぐらいから読めそうなのですが、ルビなしの文庫だと対象年齢が上がってしまうのが残念! ともかく復活を祝ってご紹介します。

1つはポール・ギャリコの『ミセス・ハリス、パリへ行く』です。昔は「ハリスおばさん」というタイトルだったのですが、もしかして「おばさん」がマズイということでタイトルが変更になったのでしょうか……。ただ、この主人公は決して悪い意味ではなく「おばさん」と呼ぶのがふさわしい人なんですよねぇ。ミセスと呼ばれるとなんとなく印象が違ってしまいます(ちなみに中の翻訳では「ハリスおばさん」と呼ばれています)。ガッツあふれる、心優しいハリスおばさんの魅力全開の作品を、どうぞお楽しみください。
もう1冊はイタリアの大作家ジャンニ・ロダーリの『うそつき王国とジェルソミーノ』です。こちらはかつて筑摩書房から安藤美紀夫訳で出ていたののですが、ご存知の方はいらっしゃるでしょうか? 奇妙で忘れがたいタイトルがくっきりと脳裏に焼き付いていた私にとって今度の復刊は本当に嬉しく、読むのが今から楽しみでなりません!

棚に埋もれがちな小さな本ですが、その存在感はハードカバーに劣りません(と勝手に思っている)。ぜひお見逃しなく!

『ミセス・ハリス パリへ行く』ポール・ギャリコ 著/亀山龍樹 訳/角川文庫 990円(税込)
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『うそつき王国とジェルソミーノ』ジャンニ・ロダーリ 著/山田香苗 訳/講談社文庫 924円(税込)

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