2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻から今年で3年になります。初めてそのニュースを聞いた時の衝撃は日々の生活に紛れ、その後に始まったイスラエルによるガザ攻撃もあって、段々とかの地で戦争が続いていることを意識する時間が少なくなっている自分に気がつきます。どうすればいいのか分からないし、自分にはどうにもできないという無力感もあって、次第に現実から目を背けるようになってきたのです。そんな中、この本が出版されました。イギリス人のジャーナリストによる、ウクライナの人々の声を伝える証言集『ウクライナ わたしのことも思い出して 戦地からの証言』(小学館/2200円:税込)です。
著者のジョージ・バトラーは世界中の紛争地や被災地を訪れ、その場でスケッチをしながら取材をするというスタイルを続けています。彼はウクライナ侵攻が始まるとまもなく現地に飛び、数度にわたって各地を訪れ、人々の声を聞き取りました。ここに証言を寄せられた人々の声を聴くと、戦争は前線で戦う兵士だけが体験しているのではなく、ウクライナにいるすべての人々が老若男女関係なくその影響下にあるということがわかります。そしてそれは、まだ終わっていないのです。
すべての証言の前に著者による証言者の肖像画が描かれ、「わたしのことも思い出して」という言葉が響きます。たとえ何か直接的なことができなかったとしても、今も戦下にある人々のことを忘れてはいけない――そのことを強く感じます。
ナルニア国では5月のゴールデンウィーク明けに、この本の翻訳者の原田勝さんをお招きした講演会を企画中です。詳細は決まり次第ホームページやメールマガジンでご案内をいたします。皆さま、ぜひご一緒に読み、学び、考え続けましょう。
『ウクライナ わたしのことも思い出して 戦地からの証言』ジョージ・バトラー著/原田勝 訳/小学館 2200円(税込)
★ご注文、お問い合わせはお電話、Fax、メールにて承ります★
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メールでのお問い合わせは下記のフォームからどうぞ。