【たくさんのふしぎ40th】🤔(2014年4月号)
『貨物船のはなし』
柳原良平 作
福音館書店 刊
2017年11月5日 発行
40ページ
船が大好きな著者、貼り絵で描く貨物船の魅力
サントリーのトリスウイスキーのCMキャラクター「アンクルトリス」の生みの親であり、子どもの本の世界では『かおかお どんなかお』(こぐま社)などのあかちゃん絵本を数多く制作された柳原良平さんは無類の船好きとしても知られています。子ども向けの作品では『しょうぼうてい しゅつどうせよ』や『たぐぼーとのいちにち』(いずれも福音館書店/品切れ)、『絵巻絵本 船』(こぐま社/2530円:税込)などがありますが、本書は荷を運ぶ貨物船の種類や変遷を描いたとても珍しい科学絵本です。
船の構造を詳細に図解することはあえてせず、横から見た船体を一部透視図としているところが特徴です。すべての船が同じ方向から描かれているので、船のことを知らない読者でもその違いを一目で比較することができ、また時代や用途に合わせて発展してきたことも容易につかめます。テキストは絵に描かれていない内部の様子を伝えており、人が何の目的でその船を作り利用してきたのかが具体的にわかります。船が大好きで、船のことを知り尽くしていた柳原さんだからこそ、この年齢の子どもたちがちょうどよく理解できる内容に情報を取捨選択をすることができたのだと感心しました。
島国・日本の暮らしを支えている貨物船のはなし――地球に海がある限り、これからも物流の要として日本と世界を繋ぎ続けることでしょう。(か)
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