【たくさんのふしぎ40th】🤔(2001年11月号)
『落ち葉』
平山和子 文と絵
平山英三 構成と写真
福音館書店 刊
2005年9月25日 発行
40ページ

原寸大で描く、さまざまな意匠の落ち葉の美しさ

『くだもの』『やさい』『いちご』などの幼児絵本や『たんぽぽ』『まめ』などの科学絵本で、自然をつぶさに観察しながらその美しさを描いてきた平山和子さんの最高傑作と言ってもよいのが本書です。ある年、ご自身が暮らした長野県北部の黒姫山のふもとで出会った1枚のオオバヤナギの葉がきっかけとなり、平山さんは落ち葉に魅了されて描き続けることになりました。
一言で「落ち葉」と言っても、その有様は千差万別ーー一つとして同じものはありません。1枚の葉も時間と共に姿を変えてゆくので、色合いの妙もその時だけのもの。儚く留めておけないからこそ、平山さんはその一瞬の美しさを絵にして残しておきたかったのだと思います。1枚の葉の中に夏の緑と秋の赤・黄が混じり合ったモミジ、枯れ始めた茶色や虫食いの穴までも丁寧に描きとられたサワグルミ、葉脈だけがレースのように残ったヤマブドウなど、自然が作り出す偶然の美しさは人の手の及ぶものではありません。平山さんの絵と言葉には、これらを生み出す自然への静かで深い敬意が感じられます。

本書は平山英三・平山和子ご夫妻の共著です。原稿を受け取った編集者が、その完成度の高さに驚嘆したという伝説の「たくさんのふしぎ200号」。私たちも平山さんの美しい絵に導かれて落ち葉の国への旅に出かけてみませんか?(か)

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