【たくさんのふしぎ40th】🤔(2014年5月号)
『みんなそれぞれ心の時間』
一川誠 文
吉野晃希男 絵
福音館書店 刊
2024年3月15日 発行
1430円(税込)
40ページ

”時間についてのなぞ”、解き明かします!

本書で”時間についてのなぞ”を解き明かしてくれるのは、大学で時間に関する研究をしている、教授の一川誠(いちかわまこと)さんです。一川さんは「時間とは何か」という問いをたて、その答えに近付くため、いろいろな実験をして時間の特徴を調べています。

一川さんによれば、時間には「時計の時間」と「心の時間」があるそう。
いつでも、だれにとっても同じスピードで進むのが「時計の時間」であるのに対し、その時間をいつ、どこで、どうすごすのかによって、早く進んだりおそく進んだりと、人によって違いがでるのが「心の時間」です。

もし「時計の時間」がなかったら、学校や会社に行く時間がバラバラになって、待ち合わせもできません。人間は、ほかの人といっしょに生活するのがうまくいくように「時間」という道具を考え出したのです。

あなたは、転んだり事故にあったりした瞬間、ものごとがスローモーションのように見えたことが、ありますか? 私は、落としてはいけない物が手から滑り落ちたとき、落ちる様子がゆっくりに見えた経験があります。
なぜ「心の時間」は変化するのか、一川さんは実験をして時間の進みかたを調査しているのですが、このような状況の場合は、様々な理由から、物事がスローモーションのように見える効果がうみだされていることが明らかとなりました。 ほかにも、時間に関するふしぎの謎が、実験結果とともにいくつか紹介されていて、共感できることが多いはず。ぜひ、謎を明らかにしてください。 自分が周りの人から見て、せっかちかのんびり屋かどうかがわかる実験方法についても書かれているので、試してみてはいかがでしょう!

「時間とは何か」という問いに向き合い、読み進めていくなかで、「無限」にあると思える時間も、実は「有限」であることを思い知らされたことに加え、「時計の時間」だけに縛られることなく、ほかの誰でもない自分だけがもつ「心の時間」を大切にする必要性を、強く感じました。(み)

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