ベスト👍 ノンフィクション
『はじめてであう安野光雅』
安野光雅、森田真生ほか 著
新潮社 刊
2023年10月30日 発行
定価2420円(税込)
141ページ
対象:中学生から

画家ANNOの絵と言葉の世界をまるごと案内する決定版!

2020年12月に逝去された安野光雅さん。これまでにも多くの安野さんについての本は出ていますが、これほどコンパクトに壮大な仕事を俯瞰する1冊はなかったといっていいでしょう。
新潮社の「とんぼの本」シリーズです。

若いころの写真も豊富。かかわりのあった人のエッセイ(童話屋・田中和雄さんの『魔法使いのABC』出版秘話?もあります)、表紙画像ありの著作リスト(これは圧巻!)など、見どころ満載です。装丁のお仕事にも触れられているのは、個人的に好き。嬉しいです。
なかでもわたしが特に興味深く読んだのは「ことばのない絵本10選」(選・文 森田真生)です。森田さんは『数学する身体』(新潮社)や『アリになった数学者』(福音館書店)などの著書があり、生前の安野さんと対談もされています。森田さんと同じように安野さんの本を見る必要はないけれど、「ああ、なるほど」と見方を知る手掛かりになると思います。大人にとって「ことばのない絵本」は場合によると、読み方がわからなくて迷子になりがちですから。

改めて「安野光雅」という人物の偉大さを感じる1冊です。
何度見ても見飽きることのない安野さんの絵は、これからもずっと愛され続けるのでしょうね。古くならない絵だなと思いました。 (す)

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