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『はじめちょろちょろ中ぱっぱーごはんを炊くー』(月刊たくさんのふしぎ2024年4月号)
森枝卓士 文・写真
福音館書店 刊
2024年4月1日 発行
810円(税込)
40ページ
対象:小学校中学年から

ご飯を炊くということ

日本人の主食である「ご飯」。食べたことのない人は、たぶんいませんね。日々口にするご飯をどうやって炊くのか、ということにフォーカスしたちょっと珍しい1冊です。
著者はこれまでにも食文化を取材対象とした本をたくさん手掛けてきています。『食べもの記』とか『手で食べる?』(どちらも福音館書店刊)など、手にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

さて本書ではまず、タイトルにもなっているおいしいご飯を炊きかたを教えてくれる「歌」から始まります。炊飯器のなかった時代から、「歌」の手順でご飯を炊いてきました。そして現代に残る古い農家の台所でご飯を炊く様子を写真で追います。昨今これは、なかなか実際に見ることはできないので興味深い!
とても手間と時間がかかることがわかります。だからこそ、炊飯器のような道具が発達したのかもしれないと思いました。

それから世界ではどのようにしてご飯を炊くのか、ということに迫っていきます。ここからの部分は著者ならではの視点かもしれません。「へえ~」と不思議に思うことばかり。お米の種類も違うので、そりゃそうかとも。
日本国内でも地域が変われば、食べ方もさまざまです。それが世界ともなれば、さらにさまざま! 写真でたくさん紹介されていますが、どれもおいしそうです。
最後には「自分で作ってみよう!」というページもあります。これはやってみたくなりますね。

本書は月刊誌です。ハードカバーになるには大抵、早くても2年くらいはかかるし、なるかどうかは正直わかりません! ので、気になった方はお早めのお求めをおすすめします(笑)。それに雑誌にしかない特典(作者のことば)もあるんですよ。今回、この「作者のことば」に書かれていたことで、ハッとしたことがありました。それは以前は「炊飯器」という呼称ではなく「電気釜」と言っていた時代もあったってこと。子どもの頃は確かに「電気釜」って聞いたこともあったな、と思いました。
日常の基本的なことがあっという間に時代とともに変化するんだ、ってことに気づかされました。

さあ、おいしいご飯が食べたくなりました! さて、どんなご飯を食べよう?  (す)

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