→本はケースに入っています。裏表紙も象徴的

毎回美しい造本と深遠なテーマで読者を驚かせているタラブックスの本。『夜の木』『世界のはじまり』『太陽と月』に続く最新刊『たね』がタムラ堂から出版されました。
植物のたねの存在の不思議さを4つのテーマで描いた本書は、それぞれのテーマにふさわしい形式を追い求めて作られており、1冊の本のなかにポップアップや蛇腹、折りたたみといった普通では一つに出来るとは思えないような複雑な仕掛けが盛り込まれています。しかもそれは、仕掛けのための仕掛けではなく、あくまでテーマが要求した形であるということが、この出版社の本作りの信念を感じさせるところです。とても言葉では説明できないので、これこそ実物を見てほしい!と思います。

くろみみくんもビックリ! これは最初のテーマ「たねとは何か」の場面で、そっと開くとかごの形になるポップアップの部分です。「すごい!開いてじっくり、心ゆくまで隅から隅まで見たい~」byくろみみくん。

インド西部のワルリ族のアーティスト兄弟が絵を描き、タラブックスの代表であるギータ・ヴォルフが文章を書いた『たね』は、インドの神話世界を表現してきたこれまでの作品とは違う視点で、人間が地球上に存在する生命の一部である(でしかない)ことを伝えてくれます。たねの神秘に素直に感動することは、自分の内の傲慢な心を戒めてくれるように思えるのです。素晴らしく手の込んだ造りに圧倒されつつも、段々に心の波が落ち着いていくという不思議な読書体験をもたらす『たね』を、ぜひあなたのお手元に……!

タムラ堂の紹介記事はこちら → 『たね』ギータ・ヴォルフ文/トゥシャール・ワイエダ、マユール・ワイエダ絵/青木恵都 訳/タムラ堂 4400円(税込)
※ナルニア国には10冊入荷しています。現物をご覧になりたい方はレジ前で販売をしておりますので、ぜひご来店くださいませ。

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