クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『13歳から考える住まいの権利 多様な生き方を実現する「家」のはなし』
葛西リサ 著
かもがわ出版 刊
2022年12月 発行
定価1760円(税込)
142ページ
対象:中学生から

「誰とどこに住むかは私が決める」ことのできる社会の実現に向けて

皆さんはどんな家に、誰と住んでいますか? 家はあなたにとってどんなところでしょうか。
住まいはすべての人にとって生活の基盤です。寝る・食べるなどの生きるために不可欠な行為をする場所というにとどまらず、自分らしくあるための安らぎの場所でもあります。住居がなければ公的サービスを受けたり、職を得ることも難しくなってしまいます。安心して暮らす家があることはまさに「人権」の重要な一部なのです。
しかし、経済的事情や大きな災害、DV被害などのいろいろな理由から、家に住み続けられなくなったり、住まいを失ってしまう人もいます。住まいは人権である以上、国には人々が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」としての住宅を提供する義務があるはずですが、実際には空き家が増加する一方で住む家がない人がいるのが現実です。日本の住宅政策にはどのような問題があるのでしょうか。

本書ではどんな人が住宅に困っているのか、人間の健康と住宅にはどのような関係があるのか、住みたい家に安心して住み続けるにはどうしたらいいのかなど様々な問題点を指摘しながら、私たちの権利としての「住まい」について考えていきます。その中で、住まいは「家族」の問題でもあり、現在の制度が多様化する人々の生き方と家族の在り方に対応できていないことも見えてきました。ひとり親家庭でも、単身高齢者でも、同性夫婦でも、外国人でも、障害者でも、どんな人でも人権としても住まいが提供され守られる、安心できる社会をつくるために、一人一人が当たり前と思って見過ごしてきた問題を見なおすきっかけとなればと思います。(か)

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