クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『自由を求めて冒険へ! 動物たちとの4千キロ冒険記』
春間豪太郎 著
日本標準 刊
2022年8月20日 発行
定価1650円(税込)
197ページ
対象:小学校中学年から

前代未聞! 動物を仲間にしてドキドキワクワクの大冒険!!

まずはお詫びを。本書の刊行は昨年の夏です。1年近くたってのご紹介となりました。申し訳ないことです、トホホ。気になっていながら読むのを先延ばししていたのです。でも読んでみたら…なんとまあ、おもしろいこと!
読む手が止まりませんでした。早く読めばよかった。

まず著者紹介の文言に釘付けになりました。「大学2年生の時に行方不明になった友人を探しにフィリピンに行って以来、冒険に目覚める」ってすごすぎませんか? この友人は無事に見つかったのか、気になってしかたありません。
まあ、それはともかく本書です。
子どものころ自分に自信がなかったという著者ですが、外国語を早く習得できること、動物と仲良くなって乗りこなす才能があることに大人になって気がつきます。そして今、冒険の日々を送っているそうなのです。
ここにはモロッコ、キルギス、チュニジアでの冒険旅が語られます。突拍子もないことの連続でハラハラさせられました。
カラー口絵を含む写真も多くあり、旅の様子が伝わってきます。また「冒険の装備品」の紹介ページはとても興味深い。彼がどんなものを旅のお供にしているのかが伺えます。現代的! と感じたのがタブレットPCとか大容量バッテリー、ドローン、なんてもの。そりゃ今や必需品ですよね。

それから読んでいて思い出した1冊があります。それは『わがはいは中村春吉である』(くもん出版、現在入手不可)。明治時代に自転車で世界一周旅行をしたかなり破天荒な人を描いたもの。本書の著者は、現代の春吉だ!と思いました。
本があまり得意でない子にも手にしてもらいやすいでしょう。冒険が好きな人はもちろん、動物が好きな人にも気に入ってもらえそうな気がします。 (す)

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