クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『本の栞にぶら下がる』
斎藤真理子 著
岩波書店 刊
2023年9月14日 発行
定価1980円(税込)
203ページ
対象:高校生から
どんな古い本にも、今につながる栞がはさまっている
装画が高野文子、ってことで思わず手にしました(笑)。 やっぱり高野文子の装画はいいです! はじめて意識したのは橋本治の『桃尻娘』シリーズ(講談社)の装画でした。彼女の漫画も大好き。
それはともかく、本書についてです。
昨今、韓国文学の翻訳で話題の著者による、読書エッセイです。岩波書店の「図書」に連載されていたものが元になっているので、目にした方も多いのではないでしょうか。韓国文学だけでなく、古今の本を取り上げています。「いぬいとみこさんのこと」の章は、子どもの本関係者には特に興味深いのではないかと思いました。
文学のなかの朝鮮と日本の歴史をたどって、現在ではその存在があまり知られていない作家に光をあてる文章は魅力的です。わたしも知らない作家ばかり(!)、本ばかり(!)でしたが、どれも読んでみたくなりました。最近はKポップや韓流ドラマをはじめ、韓国(朝鮮半島)が身近になっているけれど、わたしが子どものころにはほとんど見聞きしなかったなあ。そんなことも考えさせられました。
よい作品は新しいとか、古いとかは関係ないですね。
ところで…文芸評論家の斎藤美奈子は、著者の実の姉だそうです。 (す)
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