クリーンヒット⚾ フィクション
『リックとあいまいな境界線』
アレックス・ジーノ 作
島村浩子 訳
偕成社 刊
2023年11月 発行
定価1870円(税込)
222ページ
対象:小学校高学年から

“恋する気持ち”がわからない……

主人公のリックは中学校に入って気がついたことがありました。それは、恋愛に興味がわかないということ。親友のジェフが何かと女の子のことを話すのですが、ちっとも共感できないのです。
戸惑うリックは、課外クラブ〈レインボーズ〉に参加してみることにしました。このクラブはいろいろな性のあり方について話し合う場所。
そこで、女の子や恋愛に興味がないのは自分だけではないとわかって、リックは気が楽になりました。
〈レインボーズ〉では図書室にLGBTQ+関連の本を置いてもらうための資金集めのイベントをすることになります。しかしジェフは、イベントのポスターを台無しにしようとしました。そんなジェフに対し、リックは違和感を覚えるようにーー。

現代的なテーマを扱いつつも、誰もが共感できる普遍性も感じられます。会話の描写が巧みで、思わずクスっと笑ってしまう場面も多々ありました。難しくなりそうな事象をさわやかに描いています。もやもやする心地を抱えていたら、ぜひ手に取ってみてほしいです。もやもやが少しは解消されるかも!?

前作『ジョージと秘密のメリッサ』に続く作品です。  (す)

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