クリーンヒット⚾ フィクション
「ウォルター・デ・ラ・メア作品集」
『1 アリスの教母さま』 2022年12月31日 発行
『2 アーモンドの樹』 2022年1月31日 発行
ウォルター・デ・ラ・メア 著
脇明子 訳
橋本治 絵
東洋書林 刊
定価2640円(税込)
164ページ、162ページ
対象:中学生から
不思議で、寂しげで、そして少し怖い“お噺”たち…
イギリスの作家、詩人として著名なデ・ラ・メアの作品が版元をかえて復刊されました。2月にもう1冊『まぼろしの顔』が復刊される予定です。
詩集『孔雀のパイ』(瑞雲舎)や『九つの銅貨』(福音館書店・現在品切れ)などを手にしたことがある方も多いでしょう。これらの作品より読む対象年齢は上になりますが、幻想的で怪しげな雰囲気をたっぷり味わえる本です。
『アリスの教母さま』は女の子が主人公の話が表題作含め4作、『アーモンドの樹』は男の子が主人公の話を表題作を含めてやはり4作、収録されています。
あらすじを書こうとすると、手のひらから水がこぼれるように大事なものがこぼれ落ちそう。うまく言い表すことができません(涙)。ごめんなさい!
言うなれば、行間にも漂うものがたっぷりある作品です。
この記事を書くために「ながら読み」をしましたが、これはじっくりと腰をすえて家で熱い紅茶か、おいしいスコッチでもすすりながら(笑)読みたいものです。読み急ぐのではなく、じんわりと文字を吸収したいかんじ。
そしてわたしはこの本で初めて見ました! 橋本治のイラスト! なんて素晴らしい!!
プロフィールで彼が絵を描くことは知ってはいたけれど、(「とめてくれるな、おっかさん~」のポスターは資料で見たことあるけど)こんな耽美な美しい絵を描くとは驚きました。ピアズリーみたい、と言っていいのかしら。少女漫画的な空気も感じます。
読む人をちょっと選ぶかもしれませんが、ぜひ手にしてみてほしいと思います。ハマる人にはばっちりハマる、そんな作品です。 (す)
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