クリーンヒット⚾ノンフィクション
『楽しく学べる歴史図鑑 土偶』
山田康弘 著
スタジオタッククリエイティブ 刊
2024年4月 発行
1980円(税込)
151ページ
対象:小学校中学年から
謎多き 土偶と縄文時代
土偶や縄文時代については、文字のない時代で記録も残っておらず、まだはっきりとわかっていないことが多いそう。謎が解明されていないことがあるって、なんだかワクワクしませんか?
本書は、未だに謎多き 土偶について、写真とともに詳しく学べる一冊です。
「土偶とは何か」から始まり、土偶が発見される場所や、何のために作られたのか、いくつかの説も知ることができます。さらに、土偶が作られた時代である縄文時代についても知を深められますし、土偶の作り方も掲載されていて、内容が盛りだくさん。49ページにわたって紹介されている「日本全国土偶図鑑」では、大きなカラー写真とともに、土偶がみつかった時期や出土場所、所蔵についても載っています。 最初から順に読むのはもちろん、まずは図鑑を眺め、気になる土偶を見つけてから読み始めるのも、良いかもしれません。読み終える頃には、お気に入りの土偶が見つかっていることでしょう。 とくに印象的だった土偶は、「ちびーなす」という愛称で親しまれている、縄文時代中期に山梨県諏訪原遺跡で出土された 小型土偶。高さ5.3cmという小さなサイズとかわいらしいフォルムがその愛称の理由だそう。 印象的なニックネームがついた土偶はほかにもあるので、ぜひ探してみてください。
「もっと知りたい!土偶Q &A 」では「土偶があまり作られていない期間があるのはなぜ?」「縄文人が壊れた土偶を直したのは本当?」「ネコによく似た土偶や土製品があるって本当?」など興味深い内容ばかり。大人はもちろん、子どもたちの自由研究などにも最適でしょう。巻末には、土偶が見られる全国の博物館が紹介されているので、夏休みを利用して、実際に見に行かれてみてはいかがでしょうか。 まだわからないことがある、土偶や縄文時代について、もっと知りたいという子どもたちがいたら、ぜひその謎を研究してほしいです。いつの日にか、謎が解き明かされる時がくることを楽しみにしています。(み)
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