政治の世界でどんなことがあろうと、やっぱりお隣さんは大切。こんなときだからこそ、文化や暮らし、人々の気持ちを丁寧に描いた子どもの本を皆さんにご紹介したいと思い、韓国の作家や昔話の本、韓国が舞台の物語などを集めてフェアを行っています。

中でもご紹介したいのが今月出たばかりの絵本『チェクポ おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ』です。舞台は1970年ごろの韓国の農村ーー主人公のオギは友だちのダヒが新しいかばんを買ってもらったのが羨ましくてなりません。自分はおばあちゃんが作ってくれたチェクポ(風呂敷のような包み)にお弁当や教科書を入れていかなければならないのに……。国や時代が違ってもオギの気持ちは痛いほど分かります。子どもの気持ちを丁寧に描きながら、韓国の手仕事の文化も伝えてくれるとても素敵な絵本をぜひお手にとってご覧ください。
秋にはこの本の翻訳者であるおおたけきよみさんをお招きした講演会を企画中です。詳細は決まり次第HPでご案内します。どうぞお楽しみに~!

【ナルニア国オススメの本】
『ネギをうえた人 朝鮮民話選』金素雲 編/岩波書店 680円+税
『かくれんぼ 朝鮮半島のわらべうた』池貴巳子 文・絵/福音館書店 1200円+税
『チェクポ おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ』イ・チュニ文/キム・ドンソン絵/おおたけきよみ訳/福音館書店 1500円+税
『世界のともだち 韓国 ソウルの下町っ子ピョンジュン』ペソ著/偕成社 1800円+税
『モギ ちいさな焼きもの師』リンダ・スー・パーク著/片岡しのぶ訳/あすなろ書房 1300円+税

●大人の方に 『ハングルへの旅』茨木のり子著/朝日新聞出版 640円+税