佐藤英和さんが初めてアーディゾーニの絵に虜になったのは、1959年に岩波少年文庫の『ムギと王さま』の挿絵に出会った時だった――というのは有名な話ですが、ここからは今回の展覧会の展示の二つ目のメインともいうべき“ファージョン”のコーナーです。
ファージョンはアーディゾーニが『ムギと王さま』に付けた挿絵を見て、「わたしの思っていた通りの世界がここにある」と言ったそうです。すごい!これって作者が挿絵画家に贈るものとしては、最大・最高の賛辞だよね。ファージョンはアーディゾーニに捧げる詩も書いています。どんな素敵な詩かは、会場で見てください!
これは『ムギと王さま』の原書に…ぬぬぬ!アーディゾーニの直筆イラスト付きサインが!!ということは、この本はアーディゾーニが触ったってこと!?これは、佐藤さんのお宝コレクションの中でも、飛び切りのお宝でしょう~。すごい!!
そして、わー!ファージョンのお話の挿絵がいっぱい。「金の足のベルタ」と「棟の木かざり」と「海のあかんぼう」に加えて、なんと「エルシー・ピドック ゆめでなわとびをする」の絵がある!岩波書店のファージョン作品集のなかでは、この「エルシー・ピドック」が載っている『ヒナギク野のマーティン・ピピン』は違う人が挿絵を描いてるから、アーディゾーニの絵で見るのはボク初めて、感激!
それに続いて、今度は『マローンおばさん』の原画が続きます。展示枚数は全部で7枚―「あんたの居場所くらい ここにはあるよ」というおばさんの言葉がしみとおります…。素敵な原画を心ゆくまでゆっくり見てね!