みなさん、こんにちは!とうとうボクの“村岡花子展9階会場レポート”も最終回となりました。今日もまた、ココでしか見られない珍しい展示物をご紹介するよ!
これは、花子さんが翻訳した色々な本。オルコットの『八人のいとこたち』や、『フランダースの犬』『イソップのお話』のほか、トウェインの『王子と乞食』や、ディケンズの『爐邊のこほろぎ』や、ストウ夫人の『奴隷トム物語』です。今は読めない本もたくさんあって残念!
あ、ヘレ・ケラーの伝記だ!花子さんは特に社会の弱者に目を向けて、それらの人々のために生きた女性について若い人たちに知らせたかったんじゃないかなと思う。ここにはヘレン・ケラーの他に、ストウ夫人やジェーン・アダムスの本がありました。花子さんは伝記文学について「ほんとうにこの世に呼吸していた人が、実際にぶつかったさまざまの場合をどんなふうに切り抜けたかという事実が興味深く書かれているものから、私たちは自分の毎日への生活のみちびきを与えられる」と、少女の友の書評に書いているよ。
※『ヘレン・ケラー』は偕成社文庫で9月頃には復刊になるそうです!
これが、花子さんが1952年に自宅に開設した私設図書館“道雄文庫ライブラリー”の入口に掛けられた、本物の木の看板です。年代を感じるな~。ところで、この字は誰が書いたんだろう…?村岡花子さんのこの文庫開設の後、1958年には石井桃子さんが荻窪に“かつら文庫”を作られました!
この“The Happy Lion”(『ごきげんならいおん』の原書)は、石井桃子さんから村岡花子さんに贈られたものなんだって!花子さんが日本の子どもたちにこの本を翻訳紹介したのは、1964年・71歳の時でした。
花子さんは70歳の時、心から愛する夫の蜆・Oさんに先立たれているんだけど、これはその訃報に接して石井桃子さんが花子さんに送ったお手紙です。
最後に、この花子さんの家族に宛てた直筆のお別れのお手紙を読んで、ボクは涙が出そうになったよ…。明治~大正~昭和と大変な時代を生きて、家族と仕事を愛し、若い人たちの生きる力となるような本を紹介し続けた花子さんの愛に溢れた最後の言葉を、心にしまっておきたいと思う。花子さん、本当にありがとうございます!
というわけで、会場案内もこれで終わりとなりました。みなさん、ありがとう。
ぜひこの後は、花子さんのステキな言葉がいっぱい詰まったご本を6階のナルニア国で買って帰ってくださいね~!!