■ 今週のおすすめ ■
ツꀀ ♪♪ 絵本 ♪♪
ツꀀ =幼児以上= ツꀀ
『おなかいっぱい、しあわせいっぱい』 レイチェル・イザドーラ(文・絵)小宮山 みのり(訳) 徳間書店ツꀀ 1400 円   12/08発行  →ぼくは、金曜日が大好き。おじいちゃんの店に中華料理を食 べに行く日だから。友だちのフランクリンも来て、一緒に料 理を食べる…。邦訳に『ベンのトランペット』(あかね書房)がある。 ツꀀ

『ごじょうしゃありがとございます』 シゲリ カツヒコ(文・ 絵) ポプラ社ツꀀ 1300 円 12/08発行(ポプラ社の絵本)  →ぼくはひとりでおばあちゃんの家に行くことになった。ところがバスの中で乗り過ごし、終点につくとへんてこなバスが 待っていた…。 ツꀀ

『こころやさしいワニ』 ルチーア・パンツィエーリ(文)アン トン・ジョナータ・フェッラーリ(絵)さとう のりか(訳)  岩崎書店ツꀀ 1500 円 12/09発行  →ある所に、ものすごくおっかない顔の巨大なワニがいました。顔に似合わず、心優しいワニは絵本の中にもぐりこみ、夜に なると這い出して人間の家族のために働きます…。   第18回いたばし国際絵本翻訳大賞、最優秀翻訳賞(イタリア語部門)受賞作。 ツꀀ

=小学校低学年以上= ツꀀ
『リンゴのたび』 デボラ・ホプキンソン(文)ナンシー・カー ペンター(絵)藤本 朝巳(訳) 小峰書店ツꀀ 1500 円   12/08発行(わくわく世界の絵本)  →住み慣れたアイオワを離れて、私たち家族はオレゴンへ。そ   して父さんは大切なリンゴの苗木も一緒に持って行ったの。イカダに乗せて川を渡り、降るひょうからもみんなで必死に 守り…。 ツꀀ

『こおりのなみだ』 ジャッキー・モリス(文・絵)小林 晶子  (訳)  岩崎書店ツꀀ 1500 円 12/09発行  →カラスに連れ去られたシロクマの子どもは、人間の夫婦に拾 われて7年の間大切に育てられる。あるとき、子どもは母クマと再会し…。第18回いたばし国際絵本翻訳大賞、最優秀翻訳賞(英語部門)受賞作。 ツꀀ

=小学校高学年以上= ツꀀ
『こころには森がある』 はらだ たけひで(文・絵) 冨山房インターナショナルツꀀ 1300 円 12/08発行  →わたしたちのこころには森がある。光みちて花ほころび、あ かるくなった森をパシュラル先生はゆく…。人間の夢見る力を詠った絵本。 ツꀀ

=中学以上= ツꀀ
『きままにやさしく いみなくうつくしく いきる』 アン・ハーバート(文)小田 まゆみ(絵)谷川 俊太郎(訳)  現代思潮新社ツꀀ 1400 円 12/08発行  →日本人の画家とアメリカ人の環境活動家による「プルトニウ   ムのない未来」を問う絵本。   共著:マーガレット・パロマ・パヴェル ツꀀ

♪♪ フィクション ♪♪ ツꀀ
=小学校低学年以上= ツꀀ
『魔術』 芥川 龍之介(文)丹地 陽子(絵) 岩崎書店ツꀀ  1000 円 12/09発行(1年生からよめる日本の名作絵どうわ)  →ある時雨のふる晩、わたしは若いインド人の魔術家を訪ね、その魔術をみた。あまりの不思議さに、魔術の教えを乞うが…。 ツꀀ

『ボニー、ドッグショーに出る』 ベル・ムーニー(文)スギヤマ カナヨ(絵)宮坂 宏美(訳) 徳間書店ツꀀ 1200 円   12/08発行(名犬ボニーはマルチーズ2)  →マルチーズのボニーが家にやってきてから、ハリーは毎日が   楽しくなりました。そんなある日お母さんは、ボニーをドッグショーに出すと言い出しました…。 ツꀀ

=小学校中学年以上= ツꀀ
『ヒヨコだいさくせん』 ルーシー・ダニエルズ(文)サカイ ノビー(絵)千葉 茂樹(訳) ほるぷ出版ツꀀ 1300 円   12/08発行(こちら動物のお医者さん)  →動物好きのマンディの通う小学校へ、農場暮しのリビーが転   校してきた。お世話係りになったマンディは、彼女の世話するメンドリが元気がないと聞いてある作戦を実行するが…。 ツꀀ

=小学校高学年以上= ツꀀ
『魔女の物語』 ジョセフ・ディレイニー(文)佐竹 美保(絵)田中 亜希子(訳) 東京創元社ツꀀ 1900 円 12/08発行  (魔使いシリーズ外伝)  →トムの師匠、魔使いジョン・グレゴリーの若き日の恋物語「 メグ・スケルトン」、トムの友だちの魔女アリスの話「アリスと<脳食い魔>」など全5話。いずれも本編では語られていない物語。 ツꀀ

『空を泳ぐ夢をみた』 梨屋 アリエ(文) ほるぷ出版ツꀀ  1400 円 12/08発行(NHKネットコミュニケーション小説1)  →4人の女子高校生がインタネットで繋がり、友情を育んでいく物語。NHKオンラインに「ネットで読む小説」として連載していたものを書籍化したもの。 ツꀀ

『名前をうばわれた少女 わたしはエファじゃない』 ジョアン  ・M・ウルフ(文)朝倉 めぐみ(絵)日当 陽子(訳)  フレーベル館ツꀀ 1400 円 12/08発行  →チェコスロバキアで第二次世界大戦時起こった事件を下敷き   に書かれた物語。ナチによって家族と引き離され、ドイツ人 として教育を受けた少女ミラダの運命は? ツꀀ

『ラジオスターレストラン 千億の星の記憶』 寮 美千子(文)小林敏也(絵) 長崎出版ツꀀ 1600 円 12/08発行  →「十一月の町」の星祭りの夜、少年ユーリと親友のイオは、掟を破りギガント山に行く。そこで絶滅したはずの牙虎が現 れ、謎の宇宙レストランに二人を連れて行く…。   91年パロル舎刊の改定新版。 ツꀀ

=中学以上= ツꀀ
『現代語で読む たけくらべ』 樋口 一葉(文)山口 照美 (訳) 理論社ツꀀ 1200 円 12/08発行  (現代語で読む名作シリーズ)  →樋口一葉の「たけくらべ」「にごりえ」を現代語訳で紹介する。シリーズ第二弾。 ツꀀ

『空中トライアングル』 草野 たき(文) 講談社ツꀀ 1300 円   12/08発行  →同じ団地に住む琢己と圭、律子は小学生の間いつも一緒にいた。圭が転校し、律子は琢己とつきあうようになって1年が経っていた。誰もが羨む彼氏のはずだったが、律子は自分の本当の気持ちに気づき…。 ツꀀ

♪♪ ノンフィクション ♪♪ ツꀀ
=小学校低学年以上= ツꀀ
『イルカ』 フリップ・ニックリン(文) ほるぷ出版ツꀀ 2200 円   12/08発行(ナショナルジオグラフィック動物大せっきん)  →アメリカ・ナショナルジオグラフィック協会の研究者やカメラマンによる写真絵本シリーズ。本書ではハワイやオーストラリアなどで撮影したイルカの様々な姿や生態を紹介する。共著:リンダ・ニックリン、監修:小宮輝之 ツꀀ

=小学校中学年以上= ツꀀ
『サンシャイン水族館リニューアル大作戦』 深光 富士男(文)佼成出版ツꀀ 1500 円 12/08発行(このプロジェクトを追え!)  →サンシャイン水族館の完全リニューアルを世界初の「クラゲトンネル」、「空飛ぶアシカ」、「巨大水槽」などの具体例を追いながら、スタッフたちの熱い仕事振りを紹介する。 ツꀀ

『おいしい! スイーツ☆マジック』 寺西 恵里子(文)  汐文社ツꀀ 1300 円 12/08発行  →紙風船にポップコーンを入れてレンジで作ったり、レンジで   温めたマシュマロをクッキーにサンドしたり、家庭で手軽にできるアレンジお菓子の作り方を紹介。

『はじめての編み物 ゆびあみ』 寺西 恵里子(文) 汐文社ツꀀ  1200 円 12/08発行  →マフラー、シュシュ、耳あて、帽子などをゆびあみで作る。   編み方の基本を写真で丁寧に分かりやすく解説する。 ツꀀ

『宇宙ランキング・データ大事典』 布施 哲治監修(文)くもん出版ツꀀ 5000 円 12/08発行  →惑星の大きさ、重さ、衛星の大きさ、銀河系の大きさ、星の色、日本で星がよく見える場所など、様々な角度から宇宙をとらえる事典。見開き1ページ毎にカラー写真やイラストで解説。 ツꀀ

『生命の星 大地と空のふしぎ』 松井 孝典監修(文) 小学館  クリエイティブツꀀ 1419 円 12/08発行  (NHKまんが地球大紀行3)  →学習まんがで地球や生命の不思議を探るシリーズ。本書では、生命と太陽、地球をとりまく大気のしくみ、急激な砂漠化や環境の異変をさぐる。 ツꀀ

=小学校高学年以上= ツꀀ
『資源の大研究』 柴田 明夫監修(文) PHP研究所ツꀀ  2800 円 12/09発行  →世界のエネルギー資源と鉱物資源の現状と課題、これからど   のように活用すればいいかを写真やイラスト、資料を使い、分かりやすく解説する。 ツꀀ

『きのこの不思議』 保坂 健太郎(文) 誠文堂新光社ツꀀ  2200 円 12/08発行(子供の科学・サイエンスブック)  →きのこの形や生態、種類の紹介だけにとどまらず、きのこ研究者ならではの視点で、きのこを紹介する。きのこのDNAやきのこと放射性物質との関係についての情報も掲載。 ツꀀ

『ドライアイスであそぼう』 板倉 聖宣(文)丹下 京子(絵)  仮説社ツꀀ 2200 円 12/08発行  (新版いたずらはかせでかがくの本)  →ゴム風船にドライアイスをいれてみる、ドライアイスにろうそくの火を入れてみる…家庭で安全に楽しめるドライアイスの実験をイラストで紹介。共著:藤沢千之/90年国土社刊の改訂版。 ツꀀ

=中学以上= ツꀀ
『大悪魔との算数決戦』 小島 寛之(文)大高 郁子(絵)  技術評論社ツꀀ 1480 円 12/07発行(すうがくと友だちになる1)  →小学生の三人が冒険をしながら、様々な事件に遭遇するという設定で、数学や物理の「永久機関」、「数学的帰納法」、「確率」など数学のパラドクスを物語仕立ての中で分かりやすく解説していく。 ツꀀ

『すぐわかる絵巻の見かた(改訂版)』 榊原 悟監修(文)  東京美術ツꀀ 2000 円 12/06発行  →日本独特の文学である、絵巻物語。本書では「源氏物語絵巻」、「平治物語絵詞」などの物語、合戦、経典、縁起、伝記絵巻33巻を紹介しながら、絵巻の見方を解説。   04年刊の改訂版。 ツꀀ

『部活で俳句』 今井 聖(文) 岩波書店ツꀀ 780 円 12/08発行  (岩波ジュニア新書)  →高校教師であり、俳句同好会の顧問でもある著者は、廃部寸   前の俳句同好会とダンス部をコラボさせ同好会を復活させる。生徒の俳句を紹介しながら、俳句の魅力を存分に語る。 ツꀀ

『山下清作品集』 山下 浩監修(文) 河出書房新社ツꀀ 3000 円   12/08発行  →放浪の芸術家・山下清の代表作を集めた作品集。生誕90周年記念。巻末に作品図版一覧、略年譜掲載。 ツꀀ

『くさかんむり』 池藤 あかり(文)野呂 希一(写真)  青菁社ツꀀ 1800 円 12/08発行  →葵、葦、茨、芋、英、花、華など「くさかんむり」の漢字の意味やそれにまつわる話、熟語を集めて、美しい写真と共に   紹介する。 ツꀀ

『ビートルズの英語』 ザ・ビートルズ・クラブ(文) 集英社インターナショツꀀ 1400 円 12/08発行  →ビートルズの4人の様々な「名言」を英語で読みながら、英語の言い回しを学ぶ。ビートルズの歴史と英語の両方を楽しめる一冊。 ツꀀ

『作って遊ぶ 切り紙の動物園・水族館』 大原 まゆみ(文)  誠文堂新光社ツꀀ 1500 円 12/07発行  →動物園や水族館の動物たちを立体的なポップアップ切り紙で作る。はさみやカッターの使い方、穴のあけ方、ポップアップの基本の作り方なども写真で分かりやすく解説。型紙付。 ツꀀ

『ブラッドベリ、自作を語る』 レイ・ブラッドベリ(文)小川高義(訳) 晶文社ツꀀ 1900 円 12/06発行  →共著:サム・ウェラー/ブラッドベリ研究の第一人者といわれるウェラーとの10年以上にわたる対談をまとめたもの。話題は自作についてはもちろん、才人たちとの交遊、政治、信仰など多岐である。 ツꀀ

『鳥の王さま ショーン・タンのスケッチブック』 ショーン・  タン(文・絵)岸本 佐知子(訳) 河出書房新社ツꀀ 1800 円   12/08発行  →『ロスト・シング』『遠い町から来た話』に関連するスケッチの他、まだ語られていない物語のスケッチも含めた鉛筆や木炭のスケッチ集。 ツꀀ

『探検!ものづくりと仕事人 マヨネーズ・ケチャップ・しょうゆ』 山中 伊知郎(文) ぺりかん社ツꀀ 2800 円 12/08発行  →マヨネーズ、ケチャップ、しょうゆがそれぞれどのようにして作られ、私たちの手元に届くのか。商品ができるまでの流れとそれに関わる「仕事人」を写真も交えて具体的に紹介する。シリーズ第一弾。 ツꀀ

♪♪ 昔話・伝記・詩 ♪♪ ツꀀ
=小学校高学年以上= ツꀀ
『雨ニモマケズ 宮沢賢治の詩とことば』 宮沢 賢治(文)富田 文雄(写真)パイインターナショナルツꀀ 1280 円   12/07発行  →宮沢賢治の作品や書簡から抜粋した言葉を岩手の美しい写真と共に紹介する。解説:谷郁雄 ツꀀ

=中学以上= ツꀀ
『リアさんて、どんなひと? ノンセンスの贈物』 エドワード  ・リア(文・絵)新倉 俊一(訳) みすず書房ツꀀ 3200 円   12/08発行  →自らを「ノンセンスの桂冠詩人」と称したリアの笑いと洞察、ペーソスに満ちた詩集。『ノンセンスの贈物』の全訳、『続・ノンセンス』、『ノンセンス・ソング』からの抄訳。リア自身のあとがきも付す。 ツꀀ

■ 今週の一冊 ■

 今週は「!」という本はありませんでしたが、いくつかご紹介いたします。まずは『名前をうばわれた少女 わたしはエファじゃない』を。

 チェコスロバキアで実際に戦時下にあったことを、物語にしています。過酷な環境ですが、主人公の少女ミラダのあきらめない、前向きな姿勢に胸を打たれます。本作は著者処女作とのことですが、今後の作品にも期待したいです。          (す)

ツꀀ もう1冊は、岩波ジュニア新書『部活で俳句』です。著者は、横浜市内の男子高校の英語教師。俳人でもある著者は、「俳句同好会」の顧問も務めていましたが、廃部寸前の同好会を”ある策”で復活させます。その策とは、ダンスサ-クルと俳句同  好会をコラボさせるというもの。ストリート系のダンスサークルと俳句同好会。まるで対極にある様なふたつですが、著者はこのコラボ同好会を全国高校生俳句大賞で最優秀賞を受賞させるまでに成長させます。

 「オレ、無理だし~」という高校生たちが、五七五の17音のことばを自在に操り、自分たちの思いを伝えていく姿にちょっぴり感動しました。それと同時に、思いを伝える手段に俳句があるというのは、ステキだなと思いました。イマドキ高校生たちに、俳句の魅力を伝えた著者は、読者である私たちにも、この本を通してその魅力を存分に伝えてくれます。

 そしてもう1冊は『ラジオスターレストラン』。このタイトルを聞いて、「あの本!」と思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。今回21年ぶりに大幅加筆されて、長崎出版から再登場です。『銀河鉄道の夜』を思わせる、SFファンタジーですが、今回は福島原発事故をほうふつとさせるような内容が織り込まれています。              (く)