2012年1月22日~1月28日入荷分

■ 今週のおすすめ ■

♪ 絵本 ♪ 10点

『商人とオウム』光村教育図書
『コルプスせんせいとかばくん』フレーベル館
『くろずみ小太郎旅日記 その7 秘湯、まぼろし谷の怪の巻』 
                       クレヨンハウス
『さよならなんてだいきらい』ほるぷ出版
『はずかしがりやのミリアム』ひさかたチャイルド
『ミアはおおきなものがすき!』光村教育図書
『いちりんの花』講談社
『カンテクレール キジに恋したにわとり』朝日学生新聞社
『いるの いないの』岩崎書店
『変身』長崎出版

♪ フィクション ♪ 9点

『さかだちしたってやまだまや おしゃべりがまんのまき』
                     ひさかたチャイルド  
『イチゴがいっぱい』文研出版
『みてるよみてる』復刊ドットコム
『バティストさんとハンガーブルグ=ハンガーブルグ伯爵のおはな
 し』                       BL出版
『炎路を行く者 守り人作品集』偕成社
『灰色の地平線のかなたに』岩波書店
『シノダ! チビ竜と魔法の実』新潮社
『鷹のように帆をあげて』講談社
『それはまだヒミツ 少年少女の物語』新潮社

♪ ノンフィクション ♪ 26点

『きったりはったり おりがみでミュージカルごっこ』毎日新聞社
『恋ちゃんはじめての看取り』農山漁村文化協会
『月になったナミばあちゃん』農山漁村文化協会
『新にんげんはなにでできているの?』ごま書房
『みんなを守るいのちの授業 大つなみと釜石の子どもたち』 
                      日本放送出版協会
『絵本をつくってみよう!』岩崎書店
『貝の図鑑&採集ガイド』実業之日本社
『あなたとわたし わたしとあなた 知的障害者からのメッセージ
 』                         小学館
『1945年鎮南浦の冬を越えて』長崎出版
『観察して楽しむ天体入門』誠文堂新光社
『スティーブ・ジョブスってどんな人?』汐文社
『日本の国際協力がわかる事典』PHP研究所
『ツバメ』農山漁村文化協会
『図解東京スカイツリーのしくみ』日本放送出版協会
『アジア・太平洋戦争の開戦』新日本出版社
『戦時下、銃後の国民生活』新日本出版社
『ときどきの少年』新潮社
『増補 建築バカボンド』イースト・プレス
『こどものためのお酒入門』イースト・プレス
『演劇は道具だ』イースト・プレス
『増補 失敗の愛国心』イースト・プレス
『昭和ちびっこ未来画報』青幻舎
『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』中央公論新社
『中学校・高校教師になるには』ぺりかん社
『14歳のための時間論』春秋社
『在日朝鮮人ってどんなひと?』平凡社

♪ 昔話・伝記・詩 ♪ 2点

『台所詩集 ジャガイモの恋』てらいんく
『つぼつくりのデイヴ』光村教育図書
 
■ 今週のおすすめ ■

♪♪ 絵本 ♪♪

=幼児以上=

『商人とオウム』 ミーナ・ジャバアービン(文)ブルース・ホワ
 ットリー(絵)青山 南(訳) 光村教育図書 1500 円 
 12/01発行
 →美しいオウムのおかげで、商人はお金持ちに。でも、オウムは
  森へ帰りたかった。

『コルプスせんせいとかばくん』 筒井 敬介(文)長 新太
 (絵) フレーベル館 1200 円 12/01発行
 (復刊絵本セレクション)
 →世界中で1番目か2番目に貧乏だけど腕のいいお医者様コルプス
  先生。その診察室にやってきたのは、かばだった…。
  86年刊の復刊。

『くろずみ小太郎旅日記 その7 秘湯、まぼろし谷の怪の巻』 
 飯野 和好(文・絵) クレヨンハウス 1200 円 12/01発行
 →忍術修行のくろずみ小太郎。やってきたのは、信州のとある湯
  治場。ここには妖しいもののけが出るという…。

『さよならなんてだいきらい』 レベッカ・ドーティ(文・絵)
 千葉 茂樹(訳) ほるぷ出版 1400 円 12/01発行
 (海外秀作絵本)
 →挨拶の言葉はいろいろあるけれど、「さよなら」だけは大嫌
  い。大好きだったアナベルが引越しちゃった。でも「さよなら
  」の後には…。

『はずかしがりやのミリアム』 ロール・モンルブ(文・絵)マイ
 ア・バルー(訳) ひさかたチャイルド 1500 円 12/01発行
 →ミリアムは恥ずかしがり屋の女の子。話しかけられただけで、
  真っ赤になってしまう。みんなから「トマトっ子」と呼ばれて
  しまうが…。

『ミアはおおきなものがすき!』 カトリーン・シェーラー(文・
 絵)関口 裕昭(訳) 光村教育図書 1400 円 12/01発行
 →ネズミのミアは、大きいものが大好き。おもちゃの車やヨット
  、いろんなものを土の中に埋めて、大きく育てようとしますが
  …。

『いちりんの花』 平山 弥生(文)平山 美知子(絵) 講談社
 1300 円 12/01発行(講談社の創作絵本)
 →天地が分かれ、誕生した地球の大地にいちりんの花が咲きまし
  た。やがて人間たちの争いによって荒廃しきった大地。しかし
  、また花が咲き…。故平山郁夫の妻による絵と、娘による文章
  の絵本。

=小学校低学年以上=

『カンテクレール キジに恋したにわとり』 ヨー・ルーツ(文)
 エレ・フレイセ(絵)久保谷 洋(訳) 朝日学生新聞社
 1300 円 12/01発行
 →自分が鳴かないと太陽が昇らないと信じているにわとり、カン
  テクレール。ところがある時、キジに恋して…。
  共著:フレート・フィッセルス

=小学校中学年以上=

『いるの いないの』 京極 夏彦(文)町田 尚子(絵)
 岩崎書店 1500 円 12/02発行(怪談えほん)
 →おばあちゃんの家で暮らすことになった。古い古い家の梁はと
  ても高い。薄暗がりの梁を見上げたら…。編:東雅夫

=中学以上=

『変身』 フランツ・カフカ(文)牧野 良幸(絵) 長崎出版
 2000 円 12/01発行
 →フランツ・カフカの『変身』を絵本にしたもの。
  翻案:酒寄進一

♪♪ フィクション ♪♪

=小学校低学年以上=

『さかだちしたってやまだまや おしゃべりがまんのまき』 杉本 
 深由起(文)長谷川 知子(絵) ひさかたチャイルド
 1200 円 12/01発行
 →黙っていることができない、おしゃべりが大好きな女の子、や
  まだまや。そのおしゃべりのせいで先生に怒られたり、友だち
  を泣かせてしまい、絶対おしゃべりしないって決めたけど…。

『イチゴがいっぱい』 竹内 もと代(文)小泉 るみ子(絵)
 文研出版 1200 円 12/01発行(わくわくえどうわ)
 →せっこおばちゃんの家に、イチゴの苗の世話をするためにやっ
  てきたさつき。どの苗も小さくて、きちんと育つか心配だった
  が…。

『みてるよみてる』 マンロー・リーフ(文・絵)わたなべ しげ
 お(訳) 復刊ドットコム 1500 円 11/12発行
 →「みせがたりは、いつでもだれかがみていないと、つならない
  。…あなたはきょうみせたがりじゃなかったですか?」
  95年学習研究社刊を底本に復刊。

=小学校中学年以上=

『バティストさんとハンガーブルグ=ハンガーブルグ伯爵のおはな
 し』 ルドウィッヒ・ベーメルマンス(文・絵)江國 香織
 (訳) BL出版 1300 円 12/01発行
 →正直で信心深いバティストさんは、長い間お城やお屋敷で働い
  てきましたが、今は黒猫と静かに暮していました。そんなある
  日、伯爵のお城で働くことになりました…。

=小学校高学年以上=

『炎路を行く者 守り人作品集』 上橋 菜穂子(文)佐竹 美保
 (絵) 偕成社 1500 円 12/02発行
 →絵:二木真希子/『蒼路の旅人』でチャグムをさらったタルシ
  ュのヒュウゴ。なぜ祖国を滅ぼした男に仕えるまでを描く「炎
  路の旅人」。バルサの思春期を描いた「十五の我には」の2編
  を収録。

=中学以上=

『灰色の地平線のかなたに』 ルータ・セペティス(文)野沢 
 佳織(訳) 岩波書店 2100 円 12/01発行
 →第二次世界大戦中のリトニア。15歳の少女リナは、ある晩、ソ
  連の秘密警察に捕まって、シベリアの強制収容所へ送られた。
  厳しい状況にありつつも、希望を絶やさないリナに胸を打たれ
  る。

『シノダ! チビ竜と魔法の実』 富安 陽子(文)大庭 賢哉
 (絵) 新潮社 460 円 12/02発行(新潮文庫)
 →解説:あさのあつこ、03年偕成社刊の文庫化。

『鷹のように帆をあげて』 まはら 三桃(文) 講談社 1400 円
  12/01発行
 →福岡に住む中1の理央(りお)は、ペットショップで1羽のタカ
  の子どもに出会う。そのタカに惹かれた理央は、幼馴染の寺の
  息子康太に頼んで、境内の隅でタカを飼うことにする…。

『それはまだヒミツ 少年少女の物語』 今江 祥智編(文)
 新潮社 550 円 12/02発行(新潮文庫)
 →92年刊『新潮現代童話館1』『新潮現代童話館2』より14編を集
  めたもの。

♪♪ ノンフィクション ♪♪

=小学校低学年以上=

『きったりはったり おりがみでミュージカルごっこ』 いまい 
 みさ(文) 毎日新聞社 1500 円 12/01発行
 →「おにのパンツ」「うれしいひなまつり」季節ごとの童謡に合
  わせて作る折り紙。全23曲の歌詞付で、折り方を紹介する。

=小学校中学年以上=

『恋ちゃんはじめての看取り』 國森 康広(文)國森 康広
 (写真)農山漁村文化協会 1800 円 12/01発行
 (いのちつぐ「みとりびと」1)
 →命の看取りを伝えるシリーズ。小学校5年生の恋ちゃんが、大
  好きだった92歳のおばあちゃんの死を看取った記録。

『月になったナミばあちゃん』 國森 康広(文)國森 康広
 (写真) 農山漁村文化協会 1800 円 12/01発行
 (いのちつぐ「みとりびと」2)
 →命の看取りを伝えるシリーズ。滋賀県君ヶ畑集落で、一人暮ら
  しをしていた89歳のナミばあちゃんを地域の人々と家族が看取
  った記録。

『新にんげんはなにでできているの?』 久野 則一監修(文)
 ごま書房 1800 円 12/01発行
 →体と体に必要な栄養素についてイラストを使い、分かりやすく
  説明する。ビタミンやミネラルの大切さを学べる。

『みんなを守るいのちの授業 大つなみと釜石の子どもたち』 
 片田 敏孝(文) 日本放送出版協会 1400 円 12/01発行
 →東日本大震災で、大津波に襲われながら、ほぼ全員の命が助か
  った釜石東中学校と鵜住居小学校の生徒たち。その背景には、
  たゆまない防災教育があった…。

『絵本をつくってみよう!』 水野 真帆(文) 岩崎書店
 3000 円 12/01発行(かんたん楽しい手づくり本2)
 →手作り本を作るシリーズ第2巻目。絵本の作り方を写真やイラ
  ストを使い、分かりやすく解説する。

『貝の図鑑&採集ガイド』 池田 等(文) 実業之日本社
 1400 円 12/02発行
 →271種の貝をオールカラーで紹介する。貝の採集、標本の作
  り方も解説する。生態や形、色など、貝の不思議がよくわかる
  1冊。

=小学校高学年以上=

『あなたとわたし わたしとあなた 知的障害者からのメッセージ
 』 谷口 奈保子(文)寺澤 太郎(写真)小学館 1400 円 
 12/01発行
 →知的障害者の支援を続けている「ぱれっと」。そこで働く人々
  の姿を写した写真絵本。

『1945年鎮南浦の冬を越えて』 遠藤 みえ子(文) 長崎出版
 1500 円 12/01発行
 →敗戦の混乱の中、北朝鮮・鎮南浦から母と子ども6人が日本に
  向けて旅立つ。苦難の引き揚げの旅を、当時11歳だった娘静子
  が綴る。

『観察して楽しむ天体入門』 沼澤 茂美(文) 誠文堂新光社
 2200 円 12/01発行(子供の科学・サイエンスブック)
 →太陽の動き、月の動きと満ち欠け、皆既月食の様子、惑星の見
  つけ方、流星群の観察、星座の動き、双眼鏡の選び方などを紹
  介する。共著:脇屋奈々代

『スティーブ・ジョブスってどんな人?』 藤田 千枝(文)アン
 ・ヒゴン(絵) 汐文社 1500 円 12/01発行
 →スティーブ・ジョブスの生涯を絵本で紹介する。
  作:ナム・キョンワン

『日本の国際協力がわかる事典』 牧田 東一監修(文)
 PHP研究所 2800 円 12/02発行
 →災害救助から環境保護まで日本がどのような分野でどのような
  国際協力をしているか、写真とイラストを交えて分かりやすく
  解説する。

『ツバメ』 神山 和夫(文)佐藤 信敏(写真)
 農山漁村文化協会 2500 円 12/01発行(田んぼの生きものたち)
 →田んぼの生きものたちの暮らしを知るシリーズ。ツバメの暮ら
  し方を知り、彼らを守っていくにはどうしたらよいかをカラー
  写真を交えながら、考える。共著:佐藤信敏、渡辺仁

『図解東京スカイツリーのしくみ』 NHK出版編(文)
 日本放送出版協会 1500 円 12/01発行
 →タワーとしては世界一の東京スカイツリー。超高層タワーがで
  きるまでの過程を写真を使い、分かりやすく解説する。

『アジア・太平洋戦争の開戦』 吉田 裕(文) 新日本出版社
 2200 円 12/01発行
 (ビジュアルブック 語り伝えるアジア・太平洋戦争第2巻)
 →当時の写真を見ながら、戦争と平和について考えるシリーズ。
  第2巻目は、何故日本が開戦したかについて、資料を使いなが
  ら解説する。

『戦時下、銃後の国民生活』 吉田 裕(文) 新日本出版社
 2200 円 12/01発行
 (ビジュアルブック 語り伝えるアジア・太平洋戦争第3巻)
 →語り伝えるシリーズ第3巻。当時の写真や資料を見ながら、戦
  時下の日本の様子を解説する。

=中学以上=

『ときどきの少年』 五味 太郎(文) 新潮社 5500 円 
 12/02発行(新潮文庫)
 →82年リブロポート刊、99年ブロンズ新社刊の文庫化。
  解説:椎名誠

『増補 建築バカボンド』 岡村 泰之(文) イースト・プレス
 1400 円 12/01発行(よりみちパン!セ)
 →08年理論社刊の増補版。

『こどものためのお酒入門』 山同 敦子(文) イースト・プレ
 ス 1500 円 12/01発行(よりみちパン!セ)
 →09年理論社刊の復刊。

『演劇は道具だ』 宮沢 彰夫(文) イースト・プレス 1200 円 
 12/01発行(よりみちパン!セ)
 →06年理論社刊の復刊。

『増補 失敗の愛国心』 鈴木 邦男(文) イースト・プレス
 1200 円 12/01発行(よりみちパン!セ)
 →08年理論社刊の増補版。

『昭和ちびっこ未来画報』 初見 健一(文) 青幻舎 1200 円 
 12/01発行
 →1950~70年代の間に、様々な子ども向けメディアに掲載された
  「未来予想図」を集めた本。

『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』 小山 慶太
 (文) 中央公論新社 860 円 12/01発行(中公新書)
 →夏目漱石と親交のあったことでも知られる物理学者・寺田寅彦
  の真髄に迫る。日常身辺の不思議を研究テーマにしてきた彼の
  思想とは?

『中学校・高校教師になるには』 森川 輝紀(文) ぺりかん社
 1200 円 12/02発行(なるにはBOOKS)
 →中学校、高校の教師を第一線で活躍する先生方を取材し、現場
  も紹介。必要な資格や進路も解説する。

『14歳のための時間論』 佐治 晴夫(文) 春秋社 1700 円 
 12/01発行
 →楽しい時間はどうして速く過ぎるの?「時間」についてのさま
  ざまな疑問や不思議に分かりやすく答える。

『在日朝鮮人ってどんなひと?』 徐 京植(文) 平凡社
 1400 円 12/01発行(中学生の質問箱)
 →「どうして在日朝鮮人は日本にいるの?」「植民地支配って?
  」中学生の素朴な疑問に答える新シリーズ。今回は、在日朝鮮
  人である著者が、中学生目線で綴る。

♪♪ 昔話・伝記・詩 ♪♪

=小学校中学年以上=

『台所詩集 ジャガイモの恋』 中村 多津子(文)武井 淑子
 (絵) てらいんく 1400 円 11/11発行(子ども・詩のポケット)
 →中村多津子の台所詩集。表題作他32編収録。

『つぼつくりのデイヴ』 レイバン・キャリック・ヒル(文)ブラ
 イアン・コリアー(絵)さくま ゆみこ(訳) 光村教育図書
 1600 円 12/01発行
 →今から200年ほど前のこと、奴隷のデイヴは粘土で壷を作って
  いた。まるで、帽子からウサギを取り出す手品師のように、
  デイヴは壷を作っていた…。

■ 今週の一冊 ■

 今週は、まず『灰色の地平線のかなたに』です。

 シベリア抑留をテーマにした重厚感たっぷりの物語ですが、15歳
 の少女リナの「生きたい」という祈りにも似た想いに救われます。

 シベリア抑留、というと軍隊の捕虜のイメージが強かったので、
 ソ連が「バルト三国」を占領し、市民を大勢逮捕して、虐殺され
 ていた歴史的事実をはじめて知りました。

 作者の父親が、リトアニアからの亡命者であったことから自分の
 ルーツを探り、この物語が生れました。
 どんな過酷な状況下でも、人間らしく生きることは可能なのだと
 勇気をもらえる一冊です。

 それから、ファンの皆さん! 「守り人」シリーズの新刊です!
 
 もうバルサ達には会えないと思っていましたが、少女時代のバル
 サの話と、少年時代のヒュウゴの話の2編が収められた『炎路を
 行く者』が刊行されました。
 本書を読むと、既刊の作品を読み返してみたくなります。
 「あぁ、そうだったのね」と思うことでしょう。    (す)

今週のおすすめ、もう1冊は『鷹のように帆をあげて』です。

福岡を舞台に、鷹を飼う中学1年生の女の子理央(りお)と鷹の
 モコ、そして理央を取り巻く人々の姿を描いた作品です。

 「女子中学生が鷹匠に」という奇抜な設定なのですが奇をてら
 った観は全くなく、理央とモコの姿に自然に心が寄り添ってい
 きます。
 
 作者のまはら三桃(みと)さんは、『たまごを持つように』
 や『鉄のしぶきがはねる』など学校を舞台にした作品を書い
 ていますが、どの作品も読み終えた後に、心地よい優しさが
 心に広がります。

 「なぜ理央が鷹を飼うようになったのか?」
 そこには理央が肌身外さず、いつも片手にはめている赤い手
 袋がキーワードになっていますが、ラストのシーンで全ての
 思いが解き放たれていきます。

 しみじみとした読後感が心地よく残る、中高生におすすめの
 作品です                    (く)