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岩波文庫と童話屋詩文庫のジョイントフェア“詩が動きはじめた!”を、ナルニア国店内奥のミニテーブルで開催中です。
先日、ナルニア国で岩波文庫編集長の入谷芳孝さんと、童話屋の編集者田中和雄さんのトークを行い、「岩波文庫に存命の方(この場合、谷川俊太郎さんと大岡信さん)の詩集が入ったのはほぼ50年ぶりの快挙」という、出版事情の裏話も伺いました。岩波文庫では存命の方の詩集を編むときは、必ず“自選”にしてもらう――というのはお話を通じて初めて知ったことでしたが、各社の編集方針というのは、色々な背景や事情があって決まるものなのだと、とても興味深かったです。
入谷さんのお話の中で、本を手に取るとき、詩そのものより作者が有名かどうかが優先されることへの憂慮が伺われましたが、確かに知らない詩人の詩集を手に取ってみようとはなかなか思えないのは、言われるとおり…。自分の感性にどう響くかということより、有名な名前にだけ反応してしまうことは反省しなくてはと思いました。岩波文庫に現代詩人の詩集がまとまって入ったのは、編集長さんの「詩へのハードルを低くしたい」という思いがあってのことですから、この際思い切って読んでみなくちゃ!皆さんも、ポケットに1冊詩集をいかがですか?

岩波文庫『自選 谷川俊太郎詩集』(700円+税)/『谷川俊太郎選 茨木のり子詩集』(700円+税)/『伊藤比呂美編 石垣りん詩集』(700円+税)/『谷川俊太郎選 辻征夫詩集』(560円+税)/『自選 大岡信詩集』(740円+税)
※2016年1月号の「図書」を無料配布中。ここに池澤夏樹さんの「石垣りんの消滅まで」が掲載されています。