ナルニアホールで展示中の降矢ななさんの『どうぶつABCえほん』――文章を書かれたのは安江リエさんで、カナダ人の父親をもつ5歳のお孫さんと楽しむために手作りした英語かるたがもとになっているそうです。例えば写真の“C”の場面にはいくつ“C”のつく言葉が描かれているでしょうか、皆さんもぜひ原画を見ながら探してみてください。原画は出来上がった本のように絵のそばに言葉がないので、本を読むより余計に頭を使うことになって、それが意外に楽しいのです(笑)
言葉もユニークですが、降矢ななさんの絵には文章にないいろいろなストーリーが盛り込まれています。例えばこの“F”の場面。テキストは“The fish found four frogs.” というだけですが、なぜか絵のカエルたちは火(fire)の周りで踊りを踊っています。それもオタマジャクシ柄の扇子を振りながら! むむー、降矢さんはどこからこんなに楽しいイメージを思いつくのでしょうか。全編こんな感じですので、大人が見ても本当に楽しい絵本です。
もう一つ、ホールで展示しているのは安江リエさんと降矢ななさんの合作『ねえ、どっちがすき?』(福音館書店/900円+税)。どっちがすき?と聞かれても困ってしまうような究極の選択の連続で「どっちもすき!」という声が聞こえそう。こちらは小さい子からも楽しめる、ワクワクするような作品です。ぜひお子さんとご一緒にお楽しみください。
★ナルニアホールの展示はどなたでも無料でご覧いただけます。降矢さんの作品の一旦に触れることのできる展示です。気に入られたらぜひ9階のメイン会場(有料)へお運びくださいませ。