残念ながらもうすぐ品切れになりそうな本のご紹介です。
1点は、ケストナー少年文学全集①の『エーミールと探偵たち』――岩波の函入りハードカバーはどれも品切れ傾向ですし、この文学全集もすでに手に入る書目は少なくなってきているので、この日はいつか来るとは思っていましたが、いよいよとなるととても寂しい……。子どもの頃、小学校の図書室にこのシリーズが揃っていて、そこでケストナーを読んだ記憶があるのでとても懐かしい作品です。その時は高橋健二が有名なドイツ文学者であることはもちろん知りませんでしたし、当時（約40年前）もちょっと古めかしい言い回しがあるなぁとは思っていましたが、その文体に慣れてしまうと登場人物にはこの調子で喋ってもらいたくなったりして（笑） 「大人の郷愁」と言われてしまえばそれまでなのですが、個人的に愛着のある作品なのでした。今は新しい訳も出ていますが、もし懐かしの高橋健二訳を手元に置きたいという方がいらしたら、最後の機会かもしれませんのでぜひどうぞ！
もう1点は絵本『おおきなかしの木』です。出版年は2006年と（私の感覚では）それほど古くはないと思うのですが、なんと品切れ間近とのこと。エリザベス＆ジェラルド・ローズ夫妻の作品は岩波から3点出版されていますが、勢いのある力強いイラストが自然と人間のかかわりを描いており、派手ではないものの折に触れて読み返したくなるものばかりです。無くなってしまうに何とか手渡せるものは手渡していきたいと、いつもより多めに仕入れてレジ前で展開しています。
どちらも在庫は10冊～数十冊という単位だそうなので、ご希望の方はお早めにご来店くださいませ。遠方の方にはお届けも承っておりますので、お気軽にご連絡ください。必要とされる方の元にこれらの本が届きますように……！
『エーミールと探偵たち ケストナ―少年文学全集１』エーリヒ・ケストナー作／高橋健二 訳／岩波書店 1760円（税込）
『おおきなかしの木』エリザベス・ローズ文／ジェラルド・ローズ 絵／ふしみみさを 訳／岩波書店 1650円（税込）
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