narniahall
8月末~10月末まで、ナルニアホールでは“岩波の子どもの本創刊60周年記念展”で、シリーズから3作品の原画を展示しています。石井桃子作・深沢紅子絵『やまのこどもたち』は、少し前の日本の農村の四季を子どもの生活とともに美しく描いた作品です。石井桃子さんの言葉は何も難しいことは書いていないのに何とも心地よく、水が土にしみ込むようにスーッと心の深いところに届きます。絵もそれに合わせるかのようで、田舎暮らしを知らない都会人にさえどこか懐かしさを感じさせる風景が並んでいます。暑い暑い夏を過ごした心と体には、この静かで落ち着いたナルニアホールが一服の清涼剤のように感じられるのではないでしょうか?
この他にも、洋画家・高野三三男(のうのみさお)が描いた『スザンナのお人形』や、「フクちゃん」の漫画家・横山隆一が描いた『もりのおばあさん』などが一部展示されています。どの画家も当代一流の方たちで、これらの人選をされた編集部の心意気を感じることができます。