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内容詳細

この詩集に収録した初めの詩「生まれたよ ぼく」を読んだとき、編者は名状しがたい感動を覚えました。熱いものがこみあげて、しばらくは瞑想状態でした。天がくだされた贈物のように思えて「谷川さん、ありがとうございました」と呟いていました。

  山はいつまでも高くそびえていてほしい 海はいつまでも深くたたえていてほしい 空はいつまでも青く澄んでいてほしい そして人はここにやってきた日のことを 忘れずにいてほしい

 編者はいまも、この詩を人前で、声をつまらさずに読むことができません。

 かつて谷川さんの父、谷川徹三さんは宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を「明治以来の日本人の作ったあらゆる詩の中で、最高の詩であると思っています。もっと美しい詩、あるいはもっと深い詩というものはあるかもしれない。しかし、その精神の高さにおいて、これに比べうる詩を私は知らないのであります」と話されました。 「生まれたよ ぼく」こそ、その精神の高さにおいて「雨ニモマケズ」に肩を並べる詩なのではないでしょうか。

 子どもとその未来について、また平和について、氏の近年の詩作を中心に編んだ、小社刊・第三の詞華集です。