satcriff
ローズマリ・サトクリフといえば、イギリス児童文学の歴史小説家として知られた作家です。岩波書店から刊行されたローマ・ブリテン4部作をはじめとする重厚な作品群は、多くの作家に影響を与えたことで知られています。日本でも守り人シリーズや『獣の奏者』の著者・上橋菜穂子さんが影響を受けた(というか、大好きな…かもしれません!)作家として名前を挙げておられるので、聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。とはいえ、まだまだ児童文学好きな読者以外の認知度はそれほど高くないと思われます。そのサトクリフの作品が、このたび何と“ちくま文庫”に入りました!以前ほるぷ出版から出ていた『ケルトの白馬』と『ケルトとローマの息子』の2作品が合本になったものです。『ケルトとローマの息子』は既に品切れ重版未定となっていますし、“ちくま文庫”の読者は児童文学ファンとはまた異なる層でしょうから、これで大人の方にもサトクリフの魅力が広まる~♪と、ナルニア国のスタッフは密かに喜んでいます。ハードカバーの本の良さは十分承知していますが、岩波書店の一連のサトクリフ作品も少年文庫に入ったことで、より多くの読者を獲得したことから考えると、軽装化の流れは致し方ないのでしょう。来月も、やはりほるぷ出版から以前刊行されていた『炎の戦士クーフリン』と『黄金の騎士フィン・マックール』が合本になったものが出ます。こちらもぜひお楽しみに!
※ちなみに今回の文庫の解説は、「勾玉シリーズ」の荻原規子さんです。