10月2日から始まった古典童話フェア。読書の秋といえども、なかなかこの分厚い(そして重たい)本に挑戦してくださる方は…難しいようです。実はナルニア国スタッフでも古典童話を全部読んでいる者はもちろん皆無、いくつかの作品をそれぞれのスタッフが個人的興味で読んできたというのが実態です(お恥ずかしい!)。それでも、今回がんばってまだ読んでいない作品に取り組もうとしています。
『宝さがしの子どもたち』(吉田新一先生直筆サイン入り!)はネズビットの作品としてはマイナーなものですが、もし『鉄道きょうだい』を読んでくださった方で、まだこのバスタブル家の物語に手をつけていない方がいらしたら、これはぜひおすすめです。母親を亡くして、父親の事業が傾き、学校にもしばらく行けないことになった6人の子どもたちが、家の財産を取り戻そうと様々な試みをするのですが、そこはネズビット!決して暗い話にもお涙頂戴にもなっていません。それどころか、子どもたちのやることなすこと、思わず笑わずにはいられない真面目な珍騒動の連続なのです。とても子どもらしい考えと行動で、時には大変な事態も引き起こすのですが、周囲の大人たちが実に寛大に彼らを支えてくれます。久しぶりにいい本を読んだという気持ちにさせてくれる、ネズビットの隠れた名作です。ぜひこの機会に「無名だけれど面白い」1冊を見つけていただければと思っています。