昨年の10月に亡くなられた『ぐりとぐら』の作家・中川李枝子さんの語りおろし自伝が平凡社ライブラリーの1冊になりました。表紙がかわいらしいぐりとぐらのイラストで、若いお父さん・お母さんも手に取りやすい感じです。
子どもを夢中にさせるたくさんの物語を生み出した中川李枝子さんは、ご自身がどんな子ども時代を送って、どんな本を読んできたのか、そしてどんな人との出会いがあったのか――本と子どもに対する中川さんの真剣で優しい思いが伝わる文章です。特に今回、中川さんが本を読むことについて語った最後の言葉が強く心に残りました。いろいろなことが複雑で難しい時代だからこそ、私たちは本を読む時間が必要なのです。
「本を読むことは、口先ではわかったつもりになっていても、ほんとうに理解するのは難しいことを、自分なりにつかむ助けになります。(中略)人生の節目節目で、本が寄りそい、支えてくれる。皆さんにも、本を読んで、そんな体験をしてもらいたいです。」(106ページ)
※この本は2019年に出版された『のこす言葉 中川李枝子』の平凡社ライブラリー版です。
『本と子どもが教えてくれたこと』中川李枝子 著/平凡社 1430円(税込)
★ご注文、お問い合わせはお電話、Fax、メールにて承ります★
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メールでのお問い合わせは下記のフォームからどうぞ。