クリーンヒット ⚾ フィクション
『ハロウィーンまで、まってなさい』
ミリアム・ヤング 作
小宮由 訳
平澤朋子 絵
岩波書店 刊
2024年9月 発行
62ページ
1540円(税込)
対象:小学校低学年から

さぁ、いたずらしにいく時間よ!

ある町のおもちゃ屋さんのショーウィンドウに4人の魔女のモビールがつるされていました。上の3人の魔女は「早く誰かに買われてここを出ていきたい」と思いながら、夜になるとハロウィーンに向けて魔法の練習をしていましたが、末っ子のナネットだけは魔法をよく知らず、外で遊んでいる子どもたちを眺めるのが好きなあまり魔女らしくない魔女でした。姉さん魔女たちは自分の夢をかなえてくれそうなお客が来るたびに張り切るのですが、ナネットがちょっぴりへまをしてしまうので行き先が決まりません。
そしてハロウィーンの夜、お店の柱時計が十二時を打った時、魔女たちはモビールから離れてほうきにまたがると、自分たちに失礼な態度をとったお客たちにいたずらを仕掛けに外へ飛び出して行きます。姉さんたちは順番に魔法の呪文を唱えてお客たちをこらしめ、とうとう最後にナネットの番になりますが……。

魔女らしい外見と魔女らしい魔法の力を持った姉さんたちに比べて、ナネットは全部が魔女らしくありません。ところが最後に唱えたまるで子どものはやし言葉のような呪文がとてつもない力を発揮して、そのせいでナネット自身もひどく傷ついてしまいます。「売り物にならん」と店の隅によけられたナネットを救ってくれたのは、前にお店から追い出された小さな女の子でした――。

短い物語にかわいらしいイラストがたっぷり入っているのが魅力です。ハロウィーンの夜には気をつけて! あなたのちょっとしたいじわるの報いに魔女が魔法をかけに来るかもしれませんよ。(か)

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