2012年6月3日~6月9日入荷分

■ 今週のおすすめ ■

♪ 絵本 ♪ 1点

『クイクイちゃん』絵本館

♪ フィクション ♪ 7点

『ジョイ子とサスケ 初めてのともだち』ポプラ社
『12月の夏休み ケンタとミノリの冒険日記』偕成社
『サースキの笛がきこえる』偕成社
『松竹梅』リトル・モア
『混沌の叫び1 心のナイフ(上)』東京創元社
『混沌の叫び1 心のナイフ(下)』東京創元社
『トム・ソーヤーの冒険』光文社

♪ ノンフィクション ♪ 10点

『ものまね名人ツノゼミ』福音館書店
『かこさとし こどもの行事しぜんと生活 7月のまき』小峰書店
『ミッフィーとフェルメールさん こどもと絵で話そう』美術出版社
『こおり』福音館書店
『道ばたのイモムシケムシ』東京堂出版
『オリンピック ヒーローたちの物語』ポプラ社
『おろか者たち』あすなろ書房
『ルポエッセイ 感じて歩く』岩波書店
『クマのプーさん エチケット・ブック』筑摩書房
『金融がやっていること』筑摩書房

♪ 昔話・伝記・詩 ♪ 1点

『モルゲンシュテルンのこどものうた』BL出版

■ 今週のおすすめ ■

♪♪ 絵本 ♪♪

=幼児以上=

『クイクイちゃん』 牧野 夏子(文)佐々木 マキ(絵) 絵本館
1200 円 12/06発行
→クイクイちゃんはお人形です。ある日、海辺をお散歩していると
自転車に乗ったタコに会いました。クイクイちゃんはタコと一緒
にデパートに行きます…。

♪♪ フィクション ♪♪

=小学校中学年以上=

『ジョイ子とサスケ 初めてのともだち』 さとう まきこ(文)
牧野 千穂(絵) ポプラ社 1100 円 12/06発行
→ゴールデン・レトリバーのジョイ子と雑種のサスケは、同じ日に
生まれたのに正反対の性格でした。初めてのお散歩で出会った
2匹の日常を子犬の視点で綴った物語。

=小学校高学年以上=

『12月の夏休み ケンタとミノリの冒険日記』 川端 裕人(文)
杉田 比呂美(絵) 偕成社 1200 円 12/06発行
→10歳のケンタは、写真家のパパと7歳の妹ミノリと3人でニュージ
ーランド暮らし。夏休みが始まってすぐ、パパの忘れ物を届ける
ため、ケンタとミノリはパパを追う旅に出た。

=中学以上=

『サースキの笛がきこえる』 エロイーズ・マッグロウ(文)丹地 
陽子(絵)斎藤 倫子(訳) 偕成社 1700 円 12/06発行
→人間と妖精との間に生まれた少女はある失敗を犯し、妖精の国を
追われる。そして少女は「とりかえ子」として鍛冶屋夫婦の家の
娘サースキとなり育つ…。97年ニューベリー賞オナーブック

『松竹梅』 戌井 昭人(文) リトル・モア 1600 円 12/05発行
→親がスナックを経営していてのど自慢の松岡、プロボクサーにな
りたいお調子者の竹村、吉原勤めの姉と2人暮しの転校生・梅田
の3人は小学5年生。学校では先生からも、クラスメートからも無
視されっぱなしだった。馬鹿正直で、どうにも憎めない3人の姿
に勇気をもらえる。

『混沌の叫び1 心のナイフ(上)』 パトリック・ネス(文)金原 
瑞人(訳) 東京創元社 1900 円 12/05発行
→入植した星の町に住む13歳の少年トッド。彼の町は、先住の生き
ものとの戦争により、女は死に絶え、お互いの考えが「ノイズ」
として聞こえるようになってしまった…。共訳:樋渡正人

『混沌の叫び1 心のナイフ(下)』 パトリック・ネス(文)金原 
瑞人(訳) 東京創元社 1900 円 12/05発行
→トッドが出会ったのは、いるはずのない女の子だった。やがて理
由なく男たちから追われる身となったトッドは、女の子を連れて
逃げることに…。共訳:樋渡正人

『トム・ソーヤーの冒険』 マーク・トウェイン(文)トゥルー・ウ
ィリアムズ(絵)土屋 京子(訳) 光文社 933 円 12/06発行
(光文社古典新訳文庫)

♪♪ ノンフィクション ♪♪

=小学校低学年以上=

『ものまね名人ツノゼミ』 森島 啓司(文)森島 啓司(写真)
福音館書店 1300 円 12/06発行(たくさんのふしぎ傑作集)
→変わった形をした南米のツノゼミを紹介。ほかの昆虫や植物の形
に似せて身を守るツノゼミの生態を、美しい写真で紹介する。
05年刊のハードカバー化。

『かこさとし こどもの行事しぜんと生活 7月のまき』 かこ 
さとし(文・絵) 小峰書店 1400 円 12/06発行
→かこさとしの行事絵本。この巻では半夏生、七夕、土用丑の日な
ど7月のさまざまな行事や子どもの遊びを紹介する。

『ミッフィーとフェルメールさん こどもと絵で話そう』 国井 
美果(文) 美術出版社 1500 円 12/06発行
→ミッフィーが、美術館に行きフェルメールの絵を観賞しながら、
その代表作を紹介する。巻末に作品解説付き。

=小学校中学年以上=

『こおり』 前野 紀一(文)斉藤 俊行(絵) 福音館書店
1300 円 12/06発行(たくさんのふしぎ傑作集)
→氷の中の空気、水の分子、水から氷へ…。氷のでき方を分子レベ
ルで絵で分かりやすく解説する。後半には氷を使った実験も紹介。
08年刊のハードカバー化。

=小学校高学年以上=

『道ばたのイモムシケムシ』 川上 洋一(文) 東京堂出版
1600 円 12/06発行
→公園、街路樹、河原、里山、雑木林などで見られるイモムシ、ケ
ムシ160種を紹介。『庭のイモムシ』続刊。
編:みんなで作る日本産蝶蛾類図鑑

『オリンピック ヒーローたちの物語』 大野 益弘(文)
ポプラ社 1200 円 12/06発行
→1932年ロサンゼルス大会の馬術競技・西竹一から2008年北京大会
の体操男子・内村航平まで、オリンピックで活躍した選手にまつ
わる逸話をまとめている。カラー口絵あり。

=中学以上=

『おろか者たち』 松田 哲夫編(文) あすなろ書房 1800 円 
12/06発行(中学生までに読んでおきたい哲学4)
→「おろか者たち」をテーマに、井上ひさし、山口瞳、中島敦、松
田道雄、森毅、河合隼雄、三島由紀夫、太宰治などの作品の中か
らテーマにあった文章を集めたアンソロジー集。

『ルポエッセイ 感じて歩く』 三宮 麻由子(文) 岩波書店
1800 円 12/06発行
→「シーンレス」(著者の造語で全盲の意味)の著者の日常の思い
を綴ったエッセイ。本当の意味でのユニバーサル社会のあり方な
ど、考えさせられることも多い。

『クマのプーさん エチケット・ブック』 A.A.ミルン原作
(文)E.H.シェパード(絵)高橋 早苗(訳) 筑摩書房
740 円 12/06発行(ちくま文庫)
→99年刊の文庫化。「クマのプーさん」のお話のエッセンスを凝縮
させたもの。

『金融がやっていること』 永野 良佑(文) 筑摩書房 780 円 
12/06発行(ちくまプリマー新書)
→金融アナリストの著者が「金融のしごと」を詳しく解説。そもそ
もお金とは何か、というところから論をおこしている。

♪♪ 昔話・伝記・詩 ♪♪

=小学校中学年以上=

『モルゲンシュテルンのこどものうた』 クリスティアン・モルゲン
シュテルン(文)リスベート・ツヴェルガー(絵)池田 香代子
(訳) BL出版 1500 円 12/06発行
→モルゲンシュテルンの代表的な2つの詩集から29の詩を選び、リ
スベート・ツヴェルガーが絵をつけた絵本。
編:リスベート・ツヴェルガー

■ 今週の一冊 ■

今週の一冊は、『サースキの笛がきこえる』です。
ヨーロッパの伝承物語によく出てくる「とりかえ子」伝説―妖精
が人間の赤ちゃんをさらい、代わりに風変わりな妖精の子どもを
ゆりかごに残す―が、ベースになった作品です。

妖精と人間の間に生まれた少女サースキは、妖精の国を追放され、
「とりかえ子」として育ちます。しかしその風変わりな容貌と行
動のために子どもたちからはいじめられ、大人たちからは不吉が
られてしまいます。妖精だった頃の記憶はとうになくなり、ただ
「何故なんだろう…?」という違和感と寂しさをいつも抱える
サースキ…。

周りの人間と違うことに、言葉にならない孤独を感じるサース
キの心は、現代を生きる私たちの心情にも自然に重なっていき
ます。

最後は村人たちからも追われるサースキですが、ラストがしみ
じみと良いのです。読み終えた後に、「久々にいい作品を読ん
だ~」と叫びたくなる一冊です。(実際、新刊のふたりとも
叫んでました)               (く)

営業のTさんから、書名が印刷された今後の予定を見せてもら
った時に「!」とくるものがあった作品です。
「これはおもしろそう…」とうずきました。そしてこのカンは
当たったのです。

すっかりサースキになりきってドキドキしながら読み終えまし
た。
読み終えるのがもったいない、久しぶりにそんなことも思いま
した。よい読書をさせていただきました。
どうもありがとうございます。

表紙の印象もとってもステキです!
本当に広く、読んで欲しい作品です。    (す)