ナルニア国で2018年開催した作家の寮美千子さんの講演会のことは、今でも鮮明な記憶として残っています。ウェンライトホールに集ってくださった100名のお客様が、寮さんの熱いトークに滂沱したことは忘れられません。あれは『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』(西日本出版社)の刊行記念講演会のことでした……。その少年たちの詩を集めた詩集『空が青いから白を選んだのです』(新潮文庫)の第2弾が出版されました。ロクリン社から2016年に刊行された『世界はもっと美しくなる』の文庫版で、タイトルが『名前で呼ばれたこともなかったから』に変更となっています。ページをパラパラとめくりながら、目に留まった詩を読みだすと――もうそれだけで涙が出そうになってしまいます。この詩を書いた彼らは今どうしているのだろう、寮さんの詩の教室で心の中にある思いを言葉にして紡ぐ術を知った人たちが、今も自分の気持ちを言葉にして受け止めたり、受け止められたりしながら生きていてくれたらと願います。
前作の詩集と、奈良少年刑務所での寮さんの取り組みを記録した『あふれでたのはやさしさだった』も、まだお読みでない方はこの機会にぜひ!
【新刊】『名前で呼ばれたこともなかったから 奈良少年刑務所詩集』寮美千子 編/新潮文庫 649円(税込)
【既刊】『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』寮美千子 編/新潮文庫 605円(税込)
『世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集』詩・受刑者/編・寮美千子/ロクリン社 1760円(税込)
『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』寮美千子 著/西日本出版社 1100円(税込)
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