ベスト👍 フィクション
『真昼のユウレイたち』
岩瀬成子 著
芦谷公平 絵
偕成社 刊
2023年6月 発行
定価1540円（税込）
178ページ
対象：小学校高学年から
どこか可笑しくて、切なさが胸にしみるゴースト・ストーリー
とても読後感のよい作品集。幽霊に出会う子どもたちを描いた中編を4篇収録しています。幽霊とはいっても決してホラーではありません。
どの幽霊も誰かを強く思う気持ちをもって、この世に残っているのでした。
「海の子」「対決」「願い」「舟の部屋」の4編。なかでも「対決」の主人公、千可ちゃんのまっすぐな強さに惹かれました。
読み終えて思ったことは、本当に幽霊っているかもってこと。子どもの時に読んでいたら、信じちゃいそう。身近な人を亡くした人に静かに寄り添ってくれるような作品です。
もしかすると子どもより、人の死に接したことのある大人にこそ染み入る1冊かもしれません。
作者のやさしさを感じました。
丁寧に読みたい1冊です。（す）
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